京都大学2002年前期文系数学第5問(解答・解説)


4個の整数から2個を取り出して和をつくるとき、1+a、1+b、1+c、a+b、a+c、b+cの6個になります。 ←異なる4個のものから2個取り出す場合の数なので、(4×3)/(2×1)=6通りできますね。
与えられた不等式より、1+a<1+b<1+c(<a+c)、(1+b<)a+b<a+c<b+cとなるから、1番小さいものは1+a、2番目に小さいものは1+b、1番大きいものはb+c、2番目に大きいものはa+cと確定しますが、残りの1+c、a+bの大小は不明です。
そこで、場合分けして考えます。
(あ)1+c<a+bのとき
小さい順に並べると、1+a、1+b、1+c、a+b、a+c、b+cとなります。
「1+aからb+cまでのすべての整数の値が得られる」という条件から
 1+a+1=1+bつまりa+1=b
 1+b+1=1+cつまりb+1=c
 1+c+1=a+bつまり2+c=a+b
 a+b+1=a+cつまりb+1=c
 a+c+1=b+cつまりa+1=b
となります。 ←要するに、1ずつ増えていくということですね。
結局、a+1=b、b+1=c、2+c=a+bを満たすa、b、cを求めればいいですね。
b=a+1、c=(a+1)+1=a+2だから、2+a+2=a+(a+1)となり、a=3、b=3+1=4、c=3+2=5となります。
(い)1+c=a+bのとき
小さい順に並べると、1+a、1+b、1+c=a+b、a+c、b+cとなります。
「1+aからb+cまでのすべての整数の値が得られる」という条件から
 1+a+1=1+bつまりa+1=b
 1+b+1=1+c=a+bつまりb+1=c、a=2 ←両端を見比べると、a=2となることがすぐにわかりますね。
 1+c+1=a+cつまりa=2
 a+c+1=b+cつまりa+1=b
となります。
結局、a+1=b、b+1=c、a=2を満たすa、b、cを求めればいいですね。
a=2、b=2+1=3、c=3+1=4となります。
(う)1+c>a+bのとき
小さい順に並べると、1+a、1+b、a+b、1+c、a+c、b+cとなります。
「1+aからb+cまでのすべての整数の値が得られる」という条件から
 1+a+1=1+bつまりa+1=b
 1+b+1=a+bつまりa=2
 a+b+1=1+cつまりc=a+b
 1+c+1=a+cつまりa=2
 a+c+1=b+cつまりa+1=b
となります。
結局、a+1=b、a=2、c=a+bを満たすa、b、cを求めればいいですね。
a=2、b=2+1=3、c=2+3=5となります。
以上(あ)〜(う)より、(a,b,c)=(3,4,5)、(2,3,4)、(2,3,5)となります。

神戸女学院中学部2003年算数第2問灘中学校1993年算数2日目第1問も解いてみましょう。京大の問題と同じですよ。



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