自治医科大学2016年医学部数学第6問(解答・解説)


連続3整数n、n+1、n+2を3で割った余りはすべて異なります。
また、n+4=n+1+3だから、n+4を3で割った余りはn+1を3で割った余りと等しいので、n、n+2、n+4を3で割った余りはすべて異なります。 特殊な素数の2や3に注目するのは常套(じょうとう)手段ですが、仮にすぐに気づかなくても、具体的な数で少し実験してよく観察すれば気づきます。例えば、n=2とすると、2、4、6となり、n=3とすると、3、5、7となり、n=5とすると、5、7、9となり、n=7とすると、7、9、11となり、・・・というように、いずれも3の倍数が絡んでいるということがわかりますね。
したがって、n、n+2、n+4のいずれか1つは3で割り切れる素数、つまり3となります。
n+4は3より大きく、また、n+2=3のとき、n=1となり条件を満たしません。
n=3とすると、n+2=5、n+4=7となり、条件を満たします。
したがって、条件を満たすnは1個だけあります。
なお、1から100までの整数の中には素数が25個(エラトステネスのふるいにより、容易に見つけられます)あるので、25個を調べつくして解くことも一応できます。
(参考)素数の書き出し〜エラトステネスのふるい
2、3、5、7の倍数を消しやすくするため、横に6個ずつ並べます。
100=10×10だから、100の約数のペアのうち大きくないほうは10以下となります。
このことから、1以上100以下の素数を探すためには、10以下の素数の倍数(ただし、素数自身は除きます)を消していけばいいことになります。
まず、1を消します。
次に、2を残し、それ以外の2の倍数を消します。2の倍数は縦方向に消えますね。
次に、3を残し、それ以外の3の倍数を消します。3の倍数も縦方向に消えますね。
次に、5を残り、それ以外の5の倍数を消します。左斜め下方向に消えます。消せなくなったら、右端に移動して同様の作業を行います。
最後に、7を残し、それ以外の7の倍数を消します。右斜め下方向に消えます。消せなくなったら、左端に移動して同様の作業を行います。
残った25個が1以上100以下の素数になります。
消した様子をよく観察すれば、2、3以外の素数が6で割ると1余る数か5余る数になることもわかりますね。
  
エラトステネスのふるい




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