フェリス女学院中学校00年第4問(解答・解説)


(1)
(2)で<10>を求める問題があるので、何か規則性があるはずですね。
こういう規則性の問題では、いきなり大きな数で考えずに、まず小さな数から考えることが大切です。
<1>=1、<2>=2となることは明らかですね。
フェリス女学院中学校2000年算数第4問(解答・解説)の図1

<3>を考えます。
最後に並べる長方形のタイルが横長の場合と縦長の場合が考えられます。 ←最初で場合分けして考えてもいいでしょう。
フェリス女学院中学校2000年算数第4問(解答・解説)の図2

最後に横長の長方形のタイルを並べる場合、上下に2枚並べる必要があります。
横長の場合、直前の状態は<1>の状態になり、縦長の場合、直前の状態は<2>の状態になるから、
  <3>
 =<1>+<2>
 =1+2
 =3
となります。
<4>、<5>、・・・の場合も同様に考えることができますね。
例えば、<5>の場合の図は、次のようになります。
フェリス女学院中学校2000年算数第4問(解答・解説)の図3

  <4>
 =<2>+<3>
 =2+3
 =5
  <5>
 =<3>+<4>
 =3+5
 =8
となります。
(2)
直前の2数の和を次々に並べていけばいいことは、(1)からわかりますね。
フィボナッチ数列と呼ばれる数列になっています。
 <1>1
 <2>2
 <3>3
 <4>5
 <5>8
 <6>13
 <7>21
 <8>34
 <9>55
 <10>89
同様の規則性の問題(灘中学校1994年2日目第1問)があるので、ぜひ解いてみましょう。
なお、仮に(2)の答えだけを求めるのであれば、次のように組合せを用いて解くこともできます。 ←面倒ですが・・・
横長の長方形のタイルを並べる場合、上下に2枚並べる必要がありますが、この2枚でできる正方形を1つのタイルと考えます。
結局、縦長の長方形と正方形を並べると考えればいいですね。
正方形の個数で場合分けして考えます。
(あ)正方形が0個の場合
縦長の長方形を10個並べることになりますね。
この場合は1通りあります。
(い)正方形が1個の場合
縦長の長方形8個と正方形1個を並べることになります。
正方形をどこに並べるかで9通りあります。
(う)正方形が2個の場合
縦長の長方形6個と正方形2個を並べることになります。
正方形をどこに並べるかで(8×7)/(2×1)=28通りあります。 ←組合せですね。
(え)正方形が3個の場合
縦長の長方形4個と正方形3個を並べることになります。
正方形をどこに並べるかで(7×6×5)/(3×2×1)=35通りあります。
(お)正方形が4個の場合
縦長の長方形2個と正方形4個を並べることになります。
縦長の長方形をどこに並べるかで(6×5)/(2×1)=15通りあります。
(か)正方形が5個の場合
正方形を5個を並べることになります。
この場合は1通りあります。
以上(あ)〜(か)より、<10>は
  1+9+28+35+15+1
 =89
となります。
(参考)
フィボナッチ数列〜0、1で始まり、以後の項が直前の2項の和になっている数列
 0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,・・・
トリボナッチ数列〜0、0、1で始まり、以後の項が直前の3項の和になっている数列
 0,0,1,1,2,4,7,13,24,44,81,149,274,504,・・・
テトラナッチ数列〜0、0、0、1で始まり、以後の項が直前の4項の和になっている数列
 0,0,0,1,1,2,4,8,15,29,56,108,208,401,773,・・・
トリボナッチ数列の問題(慶應義塾中等部2007年第6問)をホームページで取り上げているので、ぜひ解いてみましょう。



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