開成中学校2019年算数第2問(解答・解説)

まず、立体の切り口を確定させます。
次の手順に従ってかくだけです。
[立体を切断したときの切り口をかく手順]
@同一面上の点同士を結びます。
A平行な面の切り口の線は平行になることに着目して平行線を引きます。
B@、Aが使えないときに、すでにある切り口の線を延長して、@、Aが使えるようにします。

実際にやってみましょう。
開成中学校2019年算数第2問(解答・解説)の図

まず、QSをPRと平行になるように引きます(上の左端の図)。
SE=4×9/12=3cmとなります。
実は、この時点で(1)と(2)が解けてしまいます。
(1)
上の面と後ろの面が切断されることが点Pの存在により、下の面と前の面が切断されることが点Qの存在により、右の面が切断されることが点Rの存在により、左の面が切断されることが点Sの存在により、それぞれ確定しているため、切り口の辺が少なくとも6か所あらわれることが確定しています。
直方体の面は6面だから、辺が7以上になることはありえず、図形Xは切り口を完成させるまでもなく、六角形とわかります。
(2)
前正面から見た図は上の真ん中の図のようになります。
この長方形の面積は
  228+4×3×1/2+12×9×1/2
 =288cm2
で、横の長さが8+12=20cmだから、辺AEの長さ(縦の長さ)は
  288/20
 =14.4cm
となります。
(3)
切り口の続きをかきます。
この時点ではかく線がないので、SQを延長します。
SQの延長線とABの延長線が交わる点をTとします。
TとPは同一面上の点同士なので、結べます。
この直線と辺ADの交点をUとします。
上の面と下の面は平行だから、UPと平行にQVを引きます。
ただし、この問題の場合、立体の図にかいても意味がないので、真上から見た図(上の右端の図)にかきます。
まず、三角形SEQと三角形SATのちょうちょ相似(相似比はSE:SA=3:(14.4−3)=5:19)に注目すると、AT=4×19/5cmとわかり、次に、三角形UTAと三角形UPDのちょうちょ相似(相似比はAT:DP=4×19/5:8=19:10)に注目すると、UA:UD=19:10=R:Iとわかります。
また、図の2つの直角三角形は相似(相似比は、8:16=1:2)だから、図のSのところがわかります。
この長方形の面積が(I×8×1/2+S×16×1/2+266)cm2で、横の長さが20cmだから、縦の長さは
  (I×8×1/2+S×16×1/2+266)/20
 =I+13.3(cm) ←分配法則を利用しました。
となります。
これがI+Rと等しくなるから、R=13.3となり、ADの長さは
  13.3+13.3×I/R
 =13.3+7
 =20.3cm
となります。



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