西大和学園中学校2006年4科日程算数第3問(解答・解説)


600を素因数分解すると、
  600=6×10×10=2×3×2×5×2×5=2×2×2×3×5×5 ←「九九の逆」を利用して素早く因数分解しましょう。
となります。
4の倍数や8の倍数の長さの辺は多くても一辺しかなく、しかも、その場合、他の2辺の長さは奇数になるので、(1)と(2)の「少なくとも」というのは無意味です。
(1)
一辺の長さが8cmのとき、他の2辺の長さの積は3×5×5だから、この数の約数のペアの個数を求めればいいですね。
3×5×5の約数の個数は、3の使用個数が0個か1個の2通りあり、そのそれぞれに対して5の使用個数が0個〜2個の3通りあるから、2×3個ありますね。 ←約数の個数については神戸女学院中学部1995年2日目第4問の解答・解説を参照
したがって、ペアの個数は
  2×3/2
 =3個
となり、これが求める個数となります。
(3)
問題の誘導では、作った直方体の総数を、一辺の長さが4の倍数であるが8の倍数でないものと一辺の長さが8の倍数であるものの和として求めさせようとしていますが、そのほうが面倒どうなので、まず(3)を解きます。
8×8×8=512<600<9×9×9=729だから、最小の数は8以下となります。 上限チェック!下限チェック!
このことに着眼して書き出します。 ←ただし、大半が計算で求められます。
直方体の各辺を大きくない順に○、□、△(○≦□≦△)とします。
○=1のとき、□×△=600だから、直方体の個数は600(2×2×2×3×5×5)の約数のペアの個数となります。
その個数は
  4×2×3×1/2
 =12個
となります。
○=2のとき、□×△=300だから、直方体の個数は300(2×2×3×5×5)の約数のペアの個数から、□=1の1個を取り除いたものになります。
その個数は
  3×2×3×1/2−1
 =8個
となります。
○=3のとき、□×△=200だから、直方体の個数は200(2×2×2×5×5)の約数のペアの個数から、□=1、2の2個を取り除いたものになります。
その個数は
  4×3×1/2−2
 =4個
となります。
○=4のとき、□×△=150だから、直方体の個数は150(2×3×5×5)の約数のペアの個数から、□=1、2、3の3個を取り除いたものになります。
その個数は
  2×2×3×1/2−3
 =3個
となります。
○=5のとき、□×△=120だから、直方体の個数は120(2×2×2×3×5)の約数のペアの個数から、□=1、2、3、4の4個を取り除いたものになります。
その個数は
  4×2×2×1/2−4
 =4個
となります。
数が小さくなったので、そろそろ書き出したほうが楽になりますね。
○=6のとき、□×△=100だから、□=10、△=10の1個だけですね。
○=8のとき、□×△=75ですが、これを満たすものはありません。
したがって、作った直方体の総数は
  12+8+4+3+4+1
 =32個
となります。
(2)
直方体の辺の長さに4の倍数がない場合を考えます。
素因数2を直方体の縦、横、高さに1つずつ配する必要があります。
残りの素因数3、5、5をどのように配するかを考えます。
素因数3を縦に配すると考えても一般性は失われません。
素因数5をすべて同じ辺に配する場合は、縦、横の2通りあります。 ←高さに配する場合は、横に配する場合と同じですね。
素因数5を異なる2辺に配する場合、縦と横、横と高さの2通りあります。 ←縦と高さに配する場合は、縦と横に配する場合と同じですね。
結局、4の倍数がない場合は
  2+2
 =4個
となり、直方体の辺の長さに4の倍数がある場合は
  32−4
 =28個
あります。
あとは、一辺の長さが8の倍数となっている場合を取り除けばいいですね。
素因数2をすべて縦に配すると考えても一般性は失われません。
残りの素因数3、5、5をどのように配するかを考えます。
素因数3を配する辺は(あ)縦、(い)横の2通りあります。 ←高さに配する場合は、横に配する場合と同じですね。
(あ)の場合
横と高さは条件的に同じですね。
素因数5をすべて同じ辺に配する場合は、縦、横の2通りあります。 ←4の倍数がないときと全く同様に考えられますね。
素因数5を異なる2辺に配する場合、縦と横、横と高さの2通りあります。
(い)の場合
横と高さは条件的に異なりますね。
素因数5をすべて同じ辺に配する場合は、縦、横、高さの3通りあります。
素因数5を異なる2辺に配する場合、どの辺に配さないかで3通りあります。
(あ)、(い)より、一辺の長さが8の倍数となっている直方体は
  2+2+3+3
 =10個
あります。
したがって、一辺の長さが4の倍数であるが8の倍数でない直方体は
  28−10
 =18個
あります。
なお、(2)の一部が(1)となっていることに着目して、残りを調べて求めることもできますが、面倒でしょう。



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