麻布中学校2002年算数第2問(解答・解説)
(1)
(3で割ると1余る2の倍数(□とします))
割り切れないより、割り切れるほうが楽ですね。なんとか割り切れるようにならないかなという発想が大切です。
□+2は、3と2で割り切れます。
言い換えると、□+2は、3×2(3と2の最小公倍数)の倍数となります。
また、□は、1から1000までの整数の中にあるので、
3≦□+2≦1002
となります。
結局、3以上1002以下の6(3×2)の倍数の個数を求めなさいということですね。
[1002/(3×2)]−[2/(3×2)] ←うまく約分できますね。
=167−0=167個
なお、[○]は、○を超えない最大の整数を表すものとします。
例えば、[3.14]=3、[2]=2となります。
下線部分に気付かなくても、1あたり、1000あたりの3で割ると1余る数を書き出して、2の倍数を見つければなんとかなります。その際、問題文の「1や1000は3で割ると1余る整数です。」が役立ちます。
1、4、・・・
1000
求める個数
=(1000−4)/(3×2)+1 ←3で割ると1余る数は、周期3で現れ、2の倍数は周期2で現れるので、3で割ると1余る2の倍数は、周期6(3×2)で現れます。
=167個
問題文の「1や1000は3で割ると1余る整数です」の意味を考えると、この解法が出題者の意図したものかもしれませんね。
(3で割ると1余る5の倍数(△とします))
先ほどと全く同様ですね。
△+5は、3と5で割り切れます。
言い換えると、△+5は、3×5(3と5の最小公倍数)の倍数となります。
また、△は、1から1000までの整数の中にあるので、
6≦△+5≦1005
となります。
結局、6以上1005以下の15(3×5)の倍数の個数を求めなさいということですね。
[1005/(3×5)]−[5/(3×5)] ←うまく約分できますね。
=67−0=67個
下線部分に気付かなくても、1あたり、1000あたりの3で割ると1余る数を書き出して、5の倍数を見つければなんとかなります。その際、問題文の「1や1000は3で割ると1余る整数です。」が役立ちます。
1、4、7、10、・・・
1000
求める個数
=(1000−10)/(3×5)+1 ←3で割ると1余る数は、周期3で現れ、5の倍数は周期5で現れるので、3で割ると1余る5の倍数は、周期15(3×5)で現れます。
=67個
(2)
(1)が利用できますね。
まず、1から1000までの整数の中で、3で割ると1余る数の個数を求めます。
問題文に「1や1000は3で割ると1余る整数です。」と書いてあるので、これを利用します。
(1000−1)/3+1=334個
となります。
もちろん、(1)と同様に、3で割ると1余る数に2をたしたものが3の倍数となることを利用してもいいでしょう。
次に、1から1000までの整数の中で、3で割ると1余り、2の倍数でしかも5の倍数、つまり、10(2と5の最小公倍数)の倍数となる数の個数を求めます。
先ほどと全く同様ですね。
▽+20は、3と10で割り切れます(▽は、3で割ると1余る10の倍数を表します)。
言い換えると、▽+20は、30(3と10の最小公倍数)の倍数となります。
また、▽は、1から1000までの整数の中にあるので、
21≦▽+20≦1020
となります。
結局、21以上1020以下の30(3×10)の倍数の個数を求めればいいですね。
[1020/(30)]−[20/30] ←うまく約分できますね。
=34−0=34個
下線部分に気付かなくても、1あたり、1000あたりの3で割ると1余る数を書き出して、10の倍数を見つければなんとかなります。その際、問題文の「1や1000は3で割ると1余る整数です。」が役立ちます。
1、4、7、10、・・・
1000
求める個数
=(1000−10)/(30)+1
=34個
さて、これで答えを求める準備が整いました。
今、
U=1から1000までの整数の中で、3で割ると1余る数の個数
A=1から1000までの整数の中で、3で割ると1余る2の倍数の個数
B=1から1000までの整数の中で、3で割ると1余る5の倍数の個数
C=1から1000までの整数の中で、3で割ると1余る10の倍数(2の倍数で、しかも5の倍数)の個数
とします。
求める個数は、
U−A−B+C ←U−(A+B−C)としてもいいでしょう。
=334−167−67+34
=134個
となります。
(別解)
倍数・余りの周期性に注目して書き出します。
3で割ると1余る整数→周期3
2の倍数→周期2
5の倍数→周期5
周期が一致するのは、30(3と2と5の最小公倍数)だから、30だけ調べればいいですね。(30以降は同様の繰り返しになります。)
1000÷30
=33・・・余り10
だから、33周期分と10個分になります。
ここから書き出して調べます。横に6個ずつ並べるのがポイントです。
2で割った余りが同じ数(偶数、奇数)、3で割った余りが同じ数(3の倍数、3で割ると1余る数、3で割ると2余る数)、6で割った余りが同じ数(6の倍数、6で割ると1余る数、6で割ると2余る数、・・・)がそれぞれ縦方向に現れ、5で割った余りが同じ数(5の倍数、5で割ると1余る数、5で割ると2余る数、・・・)が左斜め下方向に現れるので、わかりやすいですね。(因みに、7で割った余りが同じ数(7の倍数など)は右斜め下方向に現れます。)
3で割ると1余る数は、左から1番目と4番目の縦方向(図の矢印方向)だけですね。
左から1番目と4番目の縦方向のうち、2の倍数となるのは、左から4番目だけですね。
3で割ると1余る2の倍数は、1周期(水色で囲んだ部分)に5個あります。最後(34周期目)の半端10個には2個含まれています。(1周期目の1〜10の4と10に相当する数になります)。
以上より、3で割ると1余る2の倍数の個数は
5×33+2
=167個・・・(1)の前半の答え
となります。
3で割ると1余る数が、左から1番目と4番目の縦方向(右図の矢印方向)だけなのは、先ほどと同じです。
5の倍数は、図のように右斜め方向に現れます。
3で割ると1余る5の倍数は、1周期に2個あります。最後(34周期目)の半端10個には1個含まれています。(1周期目の1〜10の10に相当する数になります)。
以上より、3で割ると1余る5の倍数の個数は
2×33+1
=67個・・・(1)の後半の答え
となります。
3で割ると1余る数が、左から1番目と4番目の縦方向(図の矢印方向)だけなのは、先ほどと同じです。
2の倍数と5の倍数を取り除きます。取り除き方は、上の説明を見ればわかりますね。
3で割ると1余る整数で、5の倍数でも2の倍数でない整数は、1周期に4個あります。最後(34周期目)の半端10個には2個含まれています。(1周期目の1〜10の1と7に相当する数になります。)
以上より、3で割ると1余る整数で、5の倍数でも2の倍数でない整数の個数は
4×33+2
=134個・・・(2)の答え
となります。