麻布中学校2011年算数第3問(解答・解説)
計算式を分数で表すと、AB/C+D/EFとなります。
D/EFは、分母と分子の桁数を考慮すると1より小さくなることがわかります。
したがって、計算式が整数となるためには、AB/Cが整数であってはいけないことになります。
(1)
計算結果に対する影響力は、後半の分数より、前半の分数の方が大きいから、前半の分数をできるだけ大きくすることをまず考えます。
C=1とすると、整数となってしまうので、C=2の場合を考えます。
整数となってはいけないから、ABができるだけ大きい奇数となる場合、つまりAB=97の場合を考えることになります。
結局、前半の分数が97/2の場合を考えることになります。
このとき、計算式は97/2+D/EFとなります。
D/EFができるだけ小さく、しかも、計算結果が整数となる場合を考えるのだから、D/EFが1/2となる場合を考えることになります。
EFは8×2=16以下の2桁の偶数だから、EF=16、14、12となります。 ←上限チェックと倍数条件の利用で作業を減らします(以下同様です)。
このとき、Dはそれぞれ8、7、6となりますが、2と7は前半の分数で使用済みだから、EF=16、D=8となります。
したがって、計算式は97÷2+8÷16となります。
なお、Cが3以上の場合、前半の分数は98/3以下となり、これに後半の分数をたしても97/2未満となるので、Cが3以上の場合は考える必要はありませんね。
(2)
最初に述べたことより、AB/Cは整数部分が24の分数(整数以外)であることになります。
C=1は条件を満たしません。
Cは98/24=4.・・・未満だから、C=2、3、4の場合だけ調べればいいですね。
C=2の場合、ABは24×2=48より大きく、25×2=50未満の奇数、つまり49となり、前半の分数は49/2となり、後半の分数は25−49/2=1/2となります。
EFは8×2=16以下の2桁の偶数だから、EF=16、14、12となり、Dはそれぞれ8、7、6となりますが、2と4は前半の分数で使用済みだから、EF=16、D=8となります。
このとき、計算式は49÷2+8÷16となります。
C=3の場合、ABは24×3=72より大きく、25×3=75未満の3で割り切れない整数、つまり73か74となりますが、3はCで使用済みだから、AB=74の場合だけ考えればいいですね。
前半の分数は74/3となり、後半の分数は25−74/3=1/3となります。
EFは9×3=27以下の2桁の3の倍数だから、EF=12、15、18、21、24、27となります。
このとき、Dはそれぞれ4、5、6、7、8、9となりますが、4、7は前半の分数で使用済みだから、(EF,D)=(15,5)か(18,6)となりますが、5を2回使うことはできないから、EF=18、D=6となります。
このとき、計算式は74÷3+6÷18となります。
C=4の場合、ABは24×4=96より大きく、25×4=100未満の4で割り切れない数、つまり97か98か99となりますが、9を2回使うことはできないから、AB=97と98の場合だけ考えればいいですね。
AB=97のとき、前半の分数は97/4となり、後半の分数は25−97/4=3/4となります。
Dは1桁の3の倍数だから、D=3、6、9となります。
D=9のときのみEFが2桁の数(12)となりますが、9は前半の分数で使用済みだから、この場合はありえません。
AB=98のとき、前半の分数は98/4となり、後半の分数25−98/4=1/2となります。
EFは7×2=14以下の2桁の偶数だから、EF=14、12となり、Dはそれぞれ7、6となりますが、4は前半の分数で使用済みだから、EF=12、D=6となります。
このとき、計算式は98÷4+6÷12となります。
したがって、答えは、49÷2+8÷16、74÷3+6÷18、98÷4+6÷12となります。