東京大学2007年前期文科数学第3問(解答・解説)


m=s×10+t=10s+t(s、tは、0以上9以下の整数)とします。 ←s、tがともに0のときは、mが正の整数という条件を満たしませんが、些末なことです。とりあえず、mが0以上の整数と考えて、答えに影響するのであれば、最後にそれを取り除けばいいだけです。
  5(10s+t)
 =5(10s+t)×(10s+t)×(10s+t)×(10s+t)
 =5(100s+20st+t)×100s+20st+t) ←分配法則を利用して、地道に計算してもいいですが、(あ)の面積図を参照すれば、一目瞭然ですね。2数の積がからむときに面積図を考えるのはよくあることですね。
東京大学2007年前期文科数学第3問(解答・解説)の図

ここから、分配法則を利用しても計算できますが、面倒なので、(い)の面積図を利用します。
図のピンク色の部分は100の倍数なので、下2桁に影響しません。
また、図の黄色の部分は20の倍数なので、5倍すると100の倍数となり、下2桁に影響しません。
結局、図の水色の部分を5倍した数の下2桁(5t)がもとの数の下桁と一致することになり、m=0、1、2、・・・、9だけ調べればいいですね。 ←mは正の整数となっていますが、10の代わりに0を調べても同じことですね。
 5×0=0
 5×1=5
 5×2=10×8=80 ←「5と2は仲良し」(5と偶数の掛け算を優先して計算)を利用しました(以下同じ)。
 5×3=5×81=405→5
 5×4=20×64=1280→80
 5×5=625×5=3125→25 25×25=625を利用しました。
 5×6=30×216=6480→80 6×6×6=216を利用しました。
 5×7=35×49×7=245×49=12005→5 ←245×50−245=245×100/2−245=24500の半分−245として計算しました。
 5×8=40×512=20480→80 ←8は2の3乗なので、8の3乗は2の9乗となりますね。2の10乗=1024を利用して、2の9乗=1024/2=512となります。
 5×9=45×81×9=3645×9=32805→5 ←45×81=45×80+45=90×40+45としました。3645×9=3645×10−3645としました(以下同じ)。
したがって、5mの下2桁として現れる数は、0、5、25、80となります。
(参考)
  (10+p)×(10+q)
 =100+10p+10q+pq
 =10(10+p+q)+pq
 =10{(10+p)+q}+pq
とすると、11から19までのいずれか2数の積を計算する際、十の位のところに、どちらか一方の数と他方の一の位の数の和を配置し、2数の一の位の積を一の位に配置して計算すればよいことがわかりますね。
例えば、14×18を計算する場合、
   32 ←4×8
 +22 . ←14+8(18+4)
  252
となります。



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