弘前大学2011年前期理系数学第5問(解答・解説)
(1)
20個の各頂点からは、当該頂点と隣の頂点以外へ(20−3)本の対角線が引け、それぞれの対角線を2回ずつカウントしているので、正二十角形Pの対角線は
(20−3)×20/2 ←最初はあえて重複させて数えて、後で重複度で割って調整します。(2)の別解はこの方針で解いています。なお、一般に、N角形の対角線は(N−3)×N/2となります。
=170本
ひけます。
(2)
選んだ3頂点の頂点間に正二十角形Pの辺が何個あるか考えます。
合同なもののダブルカウントを防ぐために、大きくない順に書き出します。
1個は使ないことに注意して書き出すと、次のようになります。
2 2 16
3 15
・・・・
9 9 ←(2+16)÷2=9より求めました。
最小のものが2のものは9−1=8個あります。
3 3 14
4 13
・・・・
8 9 ←(3+14)÷2=8・・・1より求めました。
最小のものが2のものは8−2=6個あります。
4 4 12
5 11
・・・・
8 8 ←(4+12)÷2=8より求めました。
最小のものが4のものは8−3=5個あります。
5 5 10
6 9
7 8
最小のものが5のものは3個あります。
6 6 8
7 7
最小のものが6のものは2個あります。
7+7+7=21となるので、最小のものが7以上のものはありませんね。
したがって、Pと辺を共有しない三角形は
8+6+5+3+2
=24個
あります。
(別解)
なお、3頂点の頂点間に正二十角形Pの頂点が何個あるか考えて解くこともできます。
3頂点以外の頂点の個数は20−3=17個で、この頂点を3頂点の間に配置することを考えます。
3カ所の間(A、B、Cとします)に最低1個ずつ配置するので、まず、3カ所の間に1個ずつ配置し、次に、残りの17−3=14個を配置することにします。
これは14個の頂点と仕切り2個の並べ方を考えればいいので、
(16×15)/(2×1) ←組み合わせですね。
=120通り
あります。
したがって、合同なものを含めると、三角形は120個あります。
実際は、合同なものを1回ずつしか数えてはいけないので調整します。
このうち3辺が等しい三角形はなく、2辺が等しい三角形(二等辺三角形)は、
1 1 15 ←二等辺三角形は、3頂点の間に配置した頂点の個数が等しくなるところが2か所ありますね。
2 2 13
3 3 11
4 4 9
5 5 7
6 6 5
7 7 3
8 8 1
の8通りあり、本来1回ずつカウントすべきところを3回カウントしているので、二等辺三角形は、合同なものを含めると8×3=24個あり、3辺の長さが異なる三角形は合同なものを含めると120−24=96個あります。
また、3辺の長さが異なる三角形は、それぞれ3×2×1=6回ずつカウントしています。 ←例えば、(A,B,C)=(4,5,8)、(4,8,5)、(5,4,8)、(5,8,4)、(8,4,5)、(8,5,4)はすべて合同な三角形で、1個とカウントすべきですが、4,5,8の入れ替えの場合の数だけ重複して数えていますね。
したがって、Pと辺を共有しない三角形は、
96/6+24/3
=16+8
=24個
あります。
東京大学1996年後期理科数学第1問は、この別解と同じ方針で解けるので、ぜひ解いてみましょう。