京都大学2006年前期理系数学第4問(解答・解説)
素数nが3の倍数のとき、n=3となります。 ←2、3以外の素数は、2でも3でも割り切れない整数(6で割ると1か5余る整数)なので、2と3は特殊な素数になります。問題を解く際、特殊なものに注目するとうまくいくことがよくあります。
n=3のとき、n2+2=3×3+2=11となり、条件を満たします。
nが3で割り切れないときを考えます。
nを3で割ったときの商を△、余りを○(○=1、2)とします。
n2の面積図をかくと、次のようになります。 ←2数の積があれば、長方形(正方形)の面積に帰着させることができますね。
黄色の部分は3で割り切れるので、n2を3で割ったときの余りは、ピンク色の部分(○×○)を3で割った余りと等しいことがわかります。 ←一般に、○を△で割ったときの余りが☆、□を△で割ったときの余りが★のとき、○×□を△で割ったときの余りは☆×★を△で割ったときの余りと等しくなります(和、差についても同様です)。上と同様の面積図をかけばすぐにわかります。
1×1=1、2×2=4のいずれも3で割ると1余るから、n2は3で割ると1余り、n2+2は3で割り切れることになります。
ところが、n2+2は2×2+2=6以上で、3以外の3の倍数は素数でないから、n2+2は3の倍数ではなく、結局、nが3で割り切れない数となることはありません。
したがって、2以上の自然数nに対し、nとn2+2がともに素数になるのはn=3の場合だけになります。
自治医科大学2016年医学部数学第6問が同じ着眼点で解ける同レベルの問題なので、ぜひ解いてみましょう。