東京工業大学2017年数学第1問(解答・解説)
例えば、6の約数をすべて書き出すとき、次のようにペアにして書き出しますが、その方法を利用します。
1 2
6 3
これを小さい順に並べると、1、2、3、6となりますね。
さて、問題を解いてみましょう。
1 〇 〇 〇 〇 〇
N ● ● ● ● 12
5個の〇は1より大きく12より小さい整数となります。
Nは、12を約数に持つから、当然12の約数をすべて約数に持ちます。
12の約数をペアにして書き出すと
1 2 3
12 6 4
となり、5個の〇のうち4個は2、3、4、6とわかります。
残り1個の〇は、1より大きく12より小さい整数で2、3、4、6以外のもの、つまり5、7、8、9、10、11となります。
Nが5を約数に持つ場合、18を約数に持つNは偶数であり、10も約数に持つから、条件を満たしませんね。
当然、Nは10を約数に持ちませんね。
7、8、9、11はいずれも1、2、3、4、6より大きいから、12の約数のペアですね。
あとは、約数の個数をすべて調べつくすだけです。
N=7×12(=84)=2×2×3×7のとき、Nの約数の個数は3×2×2=12個となり、条件を満たします。 ←約数の個数の求め方については、神戸女学院中学部1995年算数2日目第4問の解説を参照しましょう。なお、この問題で最初からこの公式を振りかざすとかなり面倒なことになると思います。
N=8×12(=96)=2×2×2×2×2×3のとき、Nの約数の個数は6×2=12個となり、条件を満たします。
N=9×12(=108)=2×2×3×3×3のとき、Nの約数の個数は3×4=12個となり、条件を満たします。
N=11×12(=132)のとき、N=7×12同様、Nの約数の個数は12個となり、条件を満たします。
したがって、Nは84、96、108、132となります。