東京大学2016年文科数学第4問(解答・解説)
(1)
3をn個掛け合わせたときの一の位を求める問題にすぎません。
3
3×3=9
3×3×3=27→7
3×3×3×3=81→1 ←実際には、7×3の一の位の数という感じで求めればいいでしょう(以下、同じ)。
3×3×3×3×3=243→3
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3、9、7、1の4個の数の繰り返しとなります。
したがって、anは下記の通りとなります。
nが4で割ると1余る数のとき、3
nが4で割ると2余る数のとき、9
nが4で割ると3余る数のとき、7
nが4で割り切れる数のとき、1
(2)
3をいくつ掛け合わせても奇数だから、4で割ったときの余りは1か3となりますね。 ←(2)では答えの見通しとしてしか使いませんが、(3)ではこの奇数であることが非常に重要です。
3
3×3=9→1
3×3×3=27→3
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3、1の2個の数の繰り返しとなります。
したがって、bnは下記の通りとなります。
nが奇数のとき、3
nが偶数のとき、1
小学生の場合、上のような解法で十分だと思いますが、もう少し厳密にすると、次のようになります。
3n+2−3n
=3n×(9−1) ←分配法則の利用
=3n×8
が4の倍数だから、3を(n+2)個掛け合わせた数と3をn個掛け合わせた数を4で割ったときの余りは一致します。
このことと3、3×3=9を4で割ったときの余りがそれぞれ3、1となることから答えが得られます。
(3)
小さい数で少し実験してみると、x1=1、x2=3、x3=27→7ぐらいまでは10で割ったときの余りを簡単な計算で求めることができますが、x4=327となると計算では厳しいことが分かります。
ところが、27は4で割ると3余る数だから、x4を10で割ったときの余りは、(1)より7であることが分かります。
そこで、(1)と(2)を利用することになります。
xn+1(3xn)を10で割ったときの余りは、(1)より、xnを4で割ったときの余りで決まり、xn(3xn-1(n≧2))を4で割ったときの余りは、(2)より、xn-1を2で割ったときの余り(偶奇)で決まります。
小学生にとっては若干抽象的でわかりにくいかもしれませんが、以下のように、表記を単純化し、具体的な数値で考えれば大した内容ではないことがよくわかるでしょう。
以下、xnを単にn番目と表記します。
10番目を10で割ったときの余りは、9番目を4で割ったときの余りで決まり、これは8番目を2で割ったときの余りで決まります。
ところで、8番目は3を掛け合わせた数なので、奇数となるから、9番目を4で割ったときの余りは3となります。
したがって、10番目を10で割ったときの余りは7となります(このとき、すべての条件を確かに満たしています)。
なお、3番目以降を10で割ったときの余りはいずれも7となることもわかりますね。