一橋大学2024年後期数学第5問・選択問題[1](解答・解説)
問題文に与えられた式から、フィボナッチ数列の問題であることはすぐにわかりますね。
anを単にn番目と表記します。
1番目の数を□、2番目の数を〇(□と〇は1以上の整数)とします。 ←実際には、□と〇は1ですが、あえて具体的な計算をしません。
3番目以降を書き出していきます。
1番目 □
2番目 〇
3番目 □×1+〇×1
4番目 □×1+〇×2
5番目 □×2+〇×3
6番目 □×3+〇×5
7番目 □×5+〇×8
8番目 □×8+〇×13
9番目 □×13+〇×21=□×13+〇×13+〇×8
〇×13は13で割り切れるから、8番目の数を13で割った余りは□×8を13で割った余りと一致します。
また、□×13+〇×13は13で割り切れるから、9番目の数を13で割った余りは〇×8を13で割った余りと一致します。
すると、8番目から14番目までは、上の1番目から7番目までの8倍を13で割った余りを考えればよく、以下7個ごとに同様の繰り返しとなります。
1番目 2番目 ・・・ 7番目
↓×8 ↓×8 ・・・・・・・
8番目 9番目 ・・・14番目
・・・・・・・・・・・・・・・
2024番目 ←2024÷7=289・・・1だから、2024番目の数は290セット目の1つ目の数となります。
1番目の数(1)を8倍していったときに13で割った余りがどうなるか考えていきます。
1
1×8=8
1×8×8→64→12
1×8×8×8→12×8=96→5
1×8×8×8×8→5×8=40→1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
となり、1、8、12、5の4個の数字の繰り返しになります。 ←8×8×8×8=2の12乗=1024×4=4096を13で割ったときの余りが1だから、確かに4個ごとに同じ余りが登場しますね。
290÷4
=72・・・2
だから、求める余りは2番目の数、つまり8となります。
なお、上の解説では、一般に、◎で割った余りが☆と★の数の和と積を◎で割った余りがそれぞれ☆+★と☆×★を◎で割った余りと一致することを利用していますが、このことは面積図を思い浮かべればすぐにわかることです。