同志社中学校01年第8問(解答・解説)

相似について
相似の頻出パターン


2つの図形が相似の場合、対応する角が等しく、対応する辺の比が一定で等しくなります。

さて、問題を解いていきましょう。

同志社中学校2001年算数第8問(解答・解説)の図1

問題の図形は、ACの中点に関して対称(点対称図形)だから、とりあえず下半分(三角形ABCの部分)だけ考えます。 対称性を利用して作業を減らす!
図のように、AとC、EとFを結びます。
三角形ABCと三角形EBFは相似(相似比は、AB:EB=2:1)だから、AC:EF=2:1となります。
三角形IEFの面積を@とすると、三角形ICA(斜線部分の半分)の面積はC、三角形IFCの面積と三角形IAEの面積はAとなります。 ←(台形を2本の対角線で分割してできる三角形の面積比)を参照しましょう。
三角形ABCと三角形EBFは相似(相似比は、AB:EB=2:1)だから、面積比は2×2:1×1=4:1となるので、三角形ABCの面積は
  台形EFCAの面積×4/(4−1)
 =(@+C+A+A)×4/3
 =K
となります。
結局、斜線部分の面積(C×2)は、平行四辺形ABCDの面積(K×2)の(C×2)/(K×2)=1/3倍となるので、
  126×1/3=42cm2
となります。

台形を2本の対角線で分割してできる4つの三角形の面積比
台形4分割の図1

上底がa、下底がbの台形を2本の対角線で分割してできる4つの三角形の面積比は、左上図のようになります。
右上図の黄緑色の三角形と赤色の三角形は相似(相似比は、上底:下底=a:b)だから、面積比は、a×a:b×bとなります。
台形4分割の図2

左上図の黄緑色の三角形と赤色の三角形は相似(相似比は、上底:下底=a:b)だから、左上図のような辺の比になります。すると、右上図の紫色の斜線部分の面積と青色の斜線部分の面積の比はa:bとなります。 ←高さ共通⇒三角形の面積比=底辺の比
結局、青色の斜線部分の面積は、紫色の斜線部分の面積のb/a倍となります。
台形4分割の図3

左上図の水色の三角形の面積と紫色の三角形の面積は等しくなります。 ←高さと底辺が共通だから。
それぞれの三角形から共通部分を取り除いた面積も等しくなるので、右上図の青斜線部分の三角形の面積は等しくなります。

(別解)
平行四辺形AFCHの面積は、平行四辺形ABCDの面積の1/2となります。 ←(平行線と面積比)を参照
同志社中学校2001年算数第8問(解答・解説)の図2

図のように、ECと平行な補助線IFを引きます。
すると、三角形BFIと三角形BCEは相似(相似比は、BF:BC=1:2)となるので、BI:BE=1:2となります。BI=@とすると、IE=@、AE(=BE)=Aとなります。
また、三角形AEJと三角形AIFは相似(相似比は、AE:AI=A:(A+@)=2:3)だから、AJ:AF=2:3となります。
同様に、CK:CH=2:3となります。 ←対称性(点対称)を考慮!
よって、平行四辺形AJCKの面積は、平行四辺形AFCHの面積の2/3となります。 ←(平行線と面積比)を参照
以上より、求める面積は、平行四辺形ABCDの面積(126cm2)の1/2×2/3=1/3倍、つまり、
  126×1/3=42cm2
となります。

なお、メネラウスの定理を知っていれば、AJ:JF=2:1を簡単に出すことができます。

平行線と面積比
下の図の面積比は、いずれも「上底+下底」の比で処理できます(長方形も平行四辺形も台形だから、左の2つですべて処理できます。また、三角形を上底0の台形と考えると、すべてを台形として処理できますね)。
平行線と面積比

面積比は
  (0+a):(b+c):(d+d):(e+e)
となります。

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