久留米大学附設中学校2020年算数第4問(解答・解説)


倍数判定法が背景にある問題です。
一般に、ある整数□(△×10+〇と表すことにします)が☆で割り切れるとき、△×10+〇=☆×◎だから、〇=☆×◎−△×10となります(〇は0以上9以下の整数、△、□、☆、◎は整数)。
ここで、整数★を考えると、
  △−★×〇
 =△−★×(☆×◎−△×10)
 =△−★×☆×◎+★×△×10 ←分配法則を利用しました。その際、「ひきすぎ⇒たす」を利用しました。
 =△×(★×10+1)−★×☆×◎ ←分配法則の逆を利用しました。
となるから、★×10+1が☆で割り切れるような★を定めれば、△−★×〇は☆の倍数となり、△×10+〇が☆で割り切れるか確認する代わりに△−★×〇が☆で割り切れるか確認すればよいことがわかります。
整数□(△×10+〇)が☆で割り切るかどうかを確認する手順
 @★×10+1が☆で割り切れるような★を見つけます。
 A△×10から、〇×★を引きます。
 B計算の結果が☆の倍数かどうかが判明すれば作業を終え、そうでなければ再度Aの作業を行います。
(1)と(2)は91の倍数判定の問題です。
(1)
 4567654
→456765−4×9=456729・・・[ア]
→45672−9×9=45591・・・[イ] ←455、91のかたまりを見れば、91で割り切れることはわかりますが・・・
→4559−1×9=4550・・・[ウ]
→455−0×9=455・・・[エ]
→45−5×9=0
この問題を解いた結果、4567654が9×10+1=91の倍数であることが確認できたことになります。
(2)
45676[オ]4404が91の倍数となるように[オ]を定めるということですね。
 45676[オ]4404
→45676[オ]440−4×9=45676[オ]404
→45676[オ]04 ←上の作業からこの結果(下3桁が404のとき、それを04に置き換えることができること)がすぐにわかるはずですね。
(1)より45676540が91の倍数だから、91×4=364をたした45676904が91の倍数であることがすぐにわかるので、[オ]=9となります。 ←一の位の4に着目すれば、91×4を考えればよいことがすぐにわかりますね。
(3)
これ以降の問題は51の倍数判定の問題ですね。
51×5=255、51×15=255+510=765だから、[カ]=2、[キ]=7となります。 ←一の位に着目すれば5の奇数倍をかければよいことがすぐにわかりますね。なお、51×25>1000となり、3桁にはなりませんね。
(4)
51=3×17だから、まず3の倍数となることが必要です。
[ク]+7×8+4=[ク]+60が3の倍数となるから、[ク]は3か6か9となります。
3の場合について考えます。
3+4=7で、340+34=374、3400+340+34=3774、・・・であることから、3777777774=34×111111111となることがすぐにわかり、34は17の倍数だから、[ク]=3の場合に条件を満たすことがすぐにわかります。
3000000000は51の倍数でないから、6と9は条件を満たしませんね。
(5)
[ケ][ケ]333333[コ][コ]=11×[ケ]0303030[コ]
(4)同様、まず3の倍数となる条件について考えます。
11は3の倍数でないから、[ケ]0303030[コ]が3の倍数となります。
[ケ]+3×3+[コ]=[ケ]+[コ]+9が3の倍数となるから、[ケ]+[コ]が3の倍数(3以上18以下)となります。
11は17の倍数でないから、[ケ]0303030[コ]が17の倍数となります。
小さい方から順に調べていきます。
 103030302 ←この数の並びを見た瞬間に102×1010101となることに気付く人もいるでしょうね。
→10303030−2×5=10303020
→1030302−0×5=1030302
→10302 ←上の作業からこの結果(下3桁が302のとき、それを2に置き換えることができること)がすぐにわかるはずですね。
→102 ←上と同様ですね。
102は51の倍数だから、[ケ]=1、[ク]=2の場合に条件を満たすことが分かります。
1組だけ求めればよいので、これで作業を終えます。
なお、[ケ]=4、[ク]=5の場合、[ケ]=7、[ク]=8の場合も答えになります。



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