甲陽学院中学校1999年算数2日目第5問(解答・解説)
問題の意味がわからなければ、生徒4人とか5人とか実験するといいでしょう。
(1)
最も多く受け取った生徒のカードの枚数が28枚のとき、生徒全員が受け取ったカードの枚数の理論的な最大値は28×30=840枚(全員が28枚受け取る場合)ですね。
そして、30人の生徒が外側を向いて環状に並び、自分の右隣の生徒以外のすべての生徒とカードを交換すれば、上の理論的な最大値を実際に取ります。
また、最も多く受け取った生徒のカードの枚数が28枚のとき、少なくとも28人の生徒は1枚のカードを受け取っています。
そして、それ以外のカードの交換がなければ、生徒全員が受け取ったカードの枚数の合計は最小(28+1×28=56枚)となります。
以上より、生徒全員が受け取ったカードの枚数の合計は56枚から840枚までであると考えられます。
(2)(3)
カードを1枚も受け取らない生徒がいるとき、最も多くのカードを受け取った生徒は自分とカードを1枚も受け取らない生徒以外のすべての生徒28人とカードを交換することができます。
したがって、この場合、各生徒(30人)の受け取ったカードの枚数は、0枚以上28枚以下の29通りとなるから、少なくとも2人は同じ枚数のカードを受け取ることになります。
また、カードを29枚受け取った生徒がいる(カードを1枚も受け取らない生徒がいない)とき、各生徒(30人)の受け取ったカードの枚数は1枚以上29枚以下の29通りとなるから、少なくとも2人は同じ枚数のカードを受け取ることになります。
(参考)
鳩ノ巣原理(ディリクレの引き出し論法)
○、□を自然数(1以上の整数)とします。(○×□+1)羽以上の鳩が○個の巣のいずれかに入っているとき、少なくとも1つの鳩の巣には(□+1)羽以上の鳩が入っていることになります。
この問題は、○=29、□=1、鳩=各生徒、巣=カードの場合ですね。