神戸女学院中学部1995年算数2日目第4問(解答・解説)

(1)
約数の個数を求めるのだから、素因数分解します。
素因数分解

30の約数の個数は、2×2×2=8個で、20の約数の個数は3×2=6個だから、 ←(注)を参照しましょう。
  [30,20]=8+6=14

なお、(注)の知識がなければ、次のように約数を書き出して約数の個数を求めることになりますが、できれば樹形図(もしくは、表)で済ませたいところです(樹形図は最後まで完成させる必要はないでしょう)。

ペアにして書き出します!
30
    30 15 10
20
    20 10

(注)一般に、整数☆が
  ○×□×△ ←(○ア個の積)×(□イ個の積)×(△ウ個の積)
と素因数分解されるとき、☆の約数の個数は
  (ア+1)×(イ+1)×(ウ+1)
となります。 ←素因数の種類が増えても減っても同様です。
例えば、24(2×3)の約数の個数は、(3+1)×(1+1)=8個となります。
このことを樹形図と表を用いて確認しておきましょう。
  (樹形図
樹形図
2の使用個数は、0〜3の3+1(通り)あり、そのそれぞれに対して、3の使用個数は、0、1の1+1(通り)あります。したがって、約数の個数は(3+1)×(1+1)=8個となります。

  (
  2を0個 2を1個 2を2個 2を3個
3を0個
3を1個 12 24

(参考)なお、上の表の考え方を利用すると、約数の総和を計算することができます。
約数の合計
 約数の総和は、(1+2+4+8)×(1+3)となりますね。 ←長方形の面積を求めるイメージです。素因数の種類がもう1つ増えると、直方体の体積を求めるイメージになります。洛星中学校2005年後期算数1第2問も是非解いてみましょう。

(2)
神戸女学院定番の調べ尽くす問題ですね。
一般に、次のことが成り立ちます((1)の(注)が理解できていればわかりますね)。

  約数が1個の整数・・・1
  約数が2個の整数・・・素数
  約数が3個の整数・・・素数の2乗(同じ素数2個の積)
  約数が奇数個の整数・・・平方数
 ←本問では、不要です。


このことを利用すると、調べる手間がかなり省(はぶ)けます。
7(素数ですね)の約数の個数は2個だから、[x,7] =14−xというのは、xの約数の個数が14−x−2=12−x(個)ということですね。
xは整数だから、1以上です。また、約数の個数は1個以上だから、12−xは1以上、つまり、xは11以下となります。
あとは、調べるだけです。
 x 約数の個数 12−x  
11 ×
2(素数) 10 ×
3(素数) ×
4(2 ×
5(素数) ×
6(2×3) 2×2=4 ×
7(素数) ×
4(問題文に書いてありますね)
9(3
10(2×5) 2×2=4 ×
11(素数) ×

以上より、求めるxは8と9になります。



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