神戸女学院中学部1996年算数2日目第2問(解答・解説)


面積(体積)を求める手法
@直接求める〜公式

三角形の面積公式、四角形(正方形、長方形、平行四辺形、台形、ひし形)の面積公式、円・扇形の面積公式、幅が一定の図形の面積公式(幅×中心線の長さ)を利用します。
体積の場合は、柱体の体積公式(底面積×高さ)、錐体の体積公式(底面積×高さ×1/3)、応用公式(三角柱を斜めに切断したもの、直方体をななめに切断したもの等)を利用します。
A「和」で求める〜分割
直接求めることができないとき、面積を求める図形を適切に分割し、面積公式が使えるようにします。 大事なのは、分割されたそれぞれの面積がともに求まるようにすることです。
分割されたそれぞれの面積を個別に求め、最後に足し算します。
体積の場合も同様です。
B「差」で求める〜復元
直接求めることができないとき、面積を求める図形に適切な図形を書き加え、面積公式が使えるようにします。大事なのは、書き加えた部分の面積・書き加えたあとの図形全体の面積がともに求まるようにすることです。最後に、書き加えた後の全体の面積から、書き加えた部分の面積を引き算します。
体積の場合も同様です。
C「比」で求める
相似比から面積比(相似比×相似比)を求めたり、高さ(縦)、底辺(横)の長さの等しい図形を見つけ、そこから面積比を出したりします。
体積の場合、相似比から体積比(相似比×相似比×相似比)を求めたり、高さ、底面積の等しい図形を見つけ、そこから体積比を出したりします。
なお、@〜Cを併用しなければならない問題もあります。
また、図形を移動(等積移動)したり、等積変形を用いたりした後、@〜Cを利用する問題もあります。
その他、「方眼紙」で求めるとか「たしすぎたらひく」(図形の重なりがある場合)などもあります。

相似について
相似の頻出パターン


2つの図形が相似の場合、対応する角が等しく、対応する辺の比が一定で等しくなります。

さて、問題を解いてみましょう。

(1)(解法1)△ABC∽△ACD(△ABCと△ACDが相似ということです)を利用して直接求めるという方針で解きます。

神戸女学院中学部1996年算数2日目第2問(解答・解説)の図1

△ABC∽△ACD(相似比は、AB:AC=5:4)だから、
 AD=AC×4/5=4×4/5(cm)
 CD=BC×4/5=3×4/5(cm) ←AC×3/5としてもいいでしょう。
しがって、求める面積(△ACD)は  ←∠CDA=90°ですね。
 (4×4/5)×(3×4/5)×1/2=96/25(3と21/25)=3.84(cm2) ←小数で答えるつもりなら、1/2の2を約分せずに、分母と分子に2をかけ、分母を100としてもいいでしょう。もちろん、3と21/25とした後に、21/25の分母と分子に4をかけ、分母を100としてもいいでしょう。

(解法2)△ABC∽△ACDを利用して「比」で求めるという方針で解きます。

△ABC∽△ACD(相似比は、AB:AC=5:4)だから、面積比は、
 △ABC:△ACD=5×5:4×4
したがって、求める面積(△ACD)は
 (3×4×1/2)×(4×4)/(5×5) (以下略)

(解法3)△ABC∽△BDC∽△ADBを利用して直接求めるという方針で解きます。本問では少し面倒ですが、練習のためにやってみます。
神戸女学院中学部1996年算数2日目第2問(解答・解説)の図2

 直角三角形の斜辺(直角の対辺)に下ろす垂線→直角三角形の相似の利用

△ABC∽△BDC∽△ADBだから、BD=[12]とすると、 ←あとで、1/4倍、1/3倍する(←BDは、△ADBの場合は、「3」の長さ(一番短い長さ)に相当し、△BDCの場合は、「4」の長さ(中間の長さ)に相当するからです。)から、分数を避けるために4×3=12としました。
 CD=[12]×3/4=[9]
 AD=[12]×4/3=[16]
[9][16][25]が5cmに相当するから、求める面積(△ADB)は
 AD×BD×1/2=(5×[16]/[25])×(5×[12]/[25])×1/2 (以下略)

(解法4)△ABC∽△BDC∽△ADBを利用して「比」で求めるという方針で解きます。
CD=[9]、AD=[16]、AC=[25]とするところまでは、(解法3)とまったく同様です。
求める面積(△ADB)は、
 =△ABC×AD/AC ←△ADBと△ABCは、高さが共通だから、面積比=底辺の比
 =(3×4×1/2)×[16]/[25] (以下略)

(2) (解法1)△ABC∽△ADEを利用して直接求めるという方針で解きます。

(1)の図を見ると、△ADEの高さ(ADを底辺と見ます)は、4cmだとわかります。
神戸女学院中学部1996年算数2日目第2問(解答・解説)の図3

また、△ABC∽△ADE(相似比は、BC:DE=6:5)だから、
 AD=AB×5/6=5×5/6(cm)
となります。したがって、求める面積(△ADE)は
 (5×5/6)×4×1/2=25/3(8と1/3)(cm2

(解法2)△ABC∽△ADEを利用して「比」で求めるという方針で解きます。

神戸女学院中学部1996年算数2日目第2問(解答・解説)の図4

△ABC∽△ADE(相似比は、BC:DE=6:5)だから、面積比は、
 △ABC:△ADE=6×6:5×5
したがって、求める面積(△ADE)は
 (6×4×1/2)×(5×5)/(6×6)=25/3(8と1/3)(cm2) ←△ABCの高さ(6cmの辺を底辺と考えた場合)は、(1)の図を見ると、4cmだとわかります。



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