甲南中学校2000年1期算数第4問(解答・解説)

(1)
食塩水を混ぜ合わせる問題にはいろいろな解法が考えられますが、天秤算を利用して解きます。
甲南中学校2000年1期算数第4問(解答・解説)の図1 5%の食塩水と8%の食塩水を1:2で混ぜ合わせると、濃(こ)さは
  5+(8−5)×A/(@+A)
 =7%
となります。
甲南中学校2000年算数1期第4問(解答・解説)の図2 結局、7%の食塩水と12%の食塩水を混ぜ合わせると、10%の食塩水900gができたということですね。再び天秤算を利用します。
12%の食塩水の重さは
  900×[3]/([2]+[3])
 =540g
となり、7%の食塩水の重さは
  900−540
 =360g
となります。
あとは、比例配分すればいいですね。
5%の食塩水の重さは
  360×1/(1+2)
 =120g
となり、8%の食塩水の重さは
  360−120
 =240g
となります。
なお、5%の食塩水と8%の食塩水を1:2で混ぜ合わせたときの濃さは、濃さが平均化することに他ならないことに着眼して、
  (5×1+8×2)/(1+2)
 =7%
としてもよいでしょう。
後半についてもこの解法で次のように解くこともできますが、少し面倒かもしれませんね。
7%の食塩水と12%の食塩水をA:Bで混ぜ合わせると10%の食塩水ができたということだから、
  (7×A+12×B)/(A+B)=10
  7×A+12×B=(A+B)×10
  7×A+12×B=A×10+B×10 ←分配法則を利用しました。
  2×B=3×A 積一定⇒反比例(逆比)
  A:B=2:3
となります(以下略)。
(2)
問題文が少し微妙ですが、8%の食塩水240gから水を何g蒸発させると8%の食塩水が12%の食塩水になりますかという問題だと解釈します。

(解法1)
天秤算を利用して解きます。
水を蒸発させているだけで、食塩水を混ぜ合わせていないので、天秤算を使いにくそうですが、大丈夫です。

  水を蒸発させる  
   
8%の食塩水240g   12%の食塩水
   
  水を混ぜる  


ビデオの逆再生(巻き戻し)のように逆から考えると、水(0%の食塩水)と12%の食塩水を混ぜ合わせると、8%の食塩水240gができたということになりますね。
甲南中学校2000年1日目算数第4問(解答・解説)の図3 蒸発させた水の量は
  240×/(
 =80g
となります。

(解法2)
比を利用して解きます。
食塩の量が変わらないことに注目します。 食塩水の量×濃さ(%)=食塩の量(一定)だから、食塩水の量と濃さは反比例(逆比)の関係にあります。 ←積一定⇒反比例(逆比)
蒸発後の濃さが蒸発前の濃さの12/8=3/2になったということは、蒸発後の食塩水の量は蒸発前の食塩水の量の2/3になるはずですね。
したがって、蒸発させた水の量は、蒸発前の食塩水の量(240g)の1−2/3=1/3、つまり
  240×1/3
 =80g
となりますね。
なお、反比例(逆比)を使わずに、食塩の量を1倍と考えて、比の積・商を考えても同じことです。
清風南海中学校2001年第5問もぜひチェックしておきましょう。



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