慶應義塾中等部2007年算数第6問(解答・解説)
1段の階段の昇り方は明らかに1通りあります。 ←規則性の問題では、小さな数から順に調べることが大切です。
2段の階段の昇り方は、1−1、2の2通りあります。
3段の階段の昇り方は、問題文より、4通りあります。
(1)
4段の階段の昇り方を考えます。
逆から考えます。
4段目に到達する直前を考えると、1段目から3段昇る場合(1通りですね)、2段目から2段昇る場合(2通りですね)、3段目から1段昇る場合(4通りですね)があるので、全部で
1+2+4
=7通り
あります。
(2)
5段の階段の昇り方を考えます。
5段目に到達する直前を考えると、2段目から3段昇る場合(2通りですね)、3段目から2段昇る場合(4通りですね)、4段目から1段昇る場合(7通りですね)があるので、全部で
2+4+7
=13通り
あります。
ここで、少し一般化してみましょう。
○(○は4以上)段目に来るのは、(○−1)段目から1段昇る場合と(○−2)段目から2段昇る場合と(○−3)段目から3段昇る場合があるから、○段目の昇り方=(○−1)段目の昇り方+(○−2)段目の昇り方+(○−3)段目の昇り方となります。
言い換えれば、ある段までの昇り方は、直前の3段の昇り方の合計になっていますね。 ←トリボナッチ数列と呼ばれる規則性です。
あとは、表を書いていけば機械的に処理できるでしょう。
1段 1
2段 2
3段 4
4段 7
5段 13
6段 24
7段 44
8段 81
9段 149
10段 274
したがって、10段の階段の昇り方は274通りあります。
一般化の部分については、次のように考えることもできます。
○段目に昇る場合としては、最初に1段昇る場合(残りの(○−1)段の昇り方を考えればいいですね)と最初に2段昇る場合(残りの(○−2)段の昇り方を考えればいいですね)と最初に3段昇る場合(残りの(○−3)段の昇り方を考えればいいですね)があるから、○段目の昇り方=(○−1)段目の昇り方+(○−2)段目の昇り方+(○−3)段目の昇り方となります。 ←最初のところで場合分けします。
なお、本問で、3段の昇り方がない場合、フィボナッチ数列の問題となります。
慶應義塾中等部では、フィボナッチ数列の問題も出題されています(2008年第4問(下のフェリスの問題とほぼ同じです))。
ホームページでは、フィボナッチ数列の問題(灘中学校1994年算数2日目第1問、フェリス女学院中学校2000年算数第4問)を取り上げているので、ぜひ解いてみましょう。
(参考)
フィボナッチ数列:最初の2項が0、1で、以後の項が直前の2項の和になっている数列
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,・・・
トリボナッチ数列:最初の3項が0、0、1で、以後の項が直前の3項の和になっている数列
0,0,1,1,2,4,7,13,24,44,81,149,274,504,・・・
テトラナッチ数列:最初の4項が0、0、0、1で、以後の項が直前の4項の和になっている数列
0,0,0,1,1,2,4,8,15,29,56,108,208,401,773,・・・