慶應義塾中等部2023年算数第6問(解答・解説)


説明の便宜上、筆算における百の位、十の位、一の位の計算のかたまりをそれぞれA、B、Cとします。
(1)
A、B、Cの順番に、それぞれの計算結果が小さくなるように考えていきます。
Aが1+2=3のとき、Bは4+5=9しかありえませんが、一の位からの繰り上がりが生じて条件を満たしません。 ←計算結果以外が異なる数であるとき、和の最小値は135+246=391となります。このことを頭に入れておくとよいでしょう。〜下限チェック!
Aが1+2=4(十の位から繰り上がり1が生じますね)のときを考えます。
Bが〇+〇=3となるとき、1、2、3、4以外の数では百の位に1繰り上がりが生じることと一の位からの繰り上がり1がありうることを考慮すると、〇+〇は12か13となります。
5+7=12、5+8=13、6+7=13の場合が考えられますが、5+7=12の場合はCの計算結果の一の位が条件を満たさず、5+8=13、6+7=13の場合はCで繰り上がりが生じてしまい、条件を満たしません。
Bが〇+〇=5のとき、1、2、4、5以外の数では百の位に1繰り上がりが生じることと一の位からの繰り上がり1がありうることを考慮すると、〇+〇は14か15となります。
6+8=14、6+9=15、7+8=15の場合が考えられますが、7+8=15のとき、Cを3+6=9とすれば条件を満たし、他の場合は条件を満たしません。
したがって、答えは459となります。
(2)
計算結果以外が異なる数であるとき、差の最大値は987−123=864となります。 上限チェック!
Aが9−1=8のとき、Bは〇−〇=6、5、4、3、2、1の場合が考えられますが、ひく数と計算結果が入れ替わった数を調べる必要はありません。 ←例えば、7−2=5の場合にBが条件を満たさなければ、当然7−5=2の場合も条件を満たしませんし、仮に条件を満たしたとしても、差が最大ということを考慮すると、ひく数より計算結果が大きいほうを考えれば十分だからです(以下同様です)。
実際には、7−2=5、7−3=4、6−2=4、5−2=3の場合だけ調べればいいですが、いずれの場合もCが条件を満たしません。
Aが9−1=7(繰り下がり1がある)ときで、Bの計算結果が8の場合をまず考えます。 ←差が最大となる場合を考えるからです。9は使用済みなので、Bの計算結果で使えませんね。
1、7、8、9以外の数で、百の位からの繰り下がり1があることを考慮すると、12−4=8、13−5=8、14−6=8が考えられますが、12−4=8のとき、Cが条件を満たさず、13−5=8のとき、Cを6−2=4とすれば条件を満たし、14−6=8のとき、Cを5−2=3とすれば条件を満たしますが、784のほうが783より大きいので、784が答えの候補となります。
Aが9−2=7のとき、Bの計算結果が8の場合がありません。
Aが8−1のとき、計算結果以外が異なる数であるときの差の最大値は897−123=774となり、784より小さくなるので検討する必要はありません。
その他のAについて、差が784を上回ることは考えられませんね。 ←ひかれる数が800より小さく、ひく数が100より大きいからです。
したがって、答えは784となります。

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