慶應義塾普通部2010年算数第4問(解答・解説)
補助線をADを引いて、高さの等しい三角形の面積比=底辺の比を利用して解く人が多いですが、比の積・商を用いると、補助線なしで解けます。 ←比の積・商は、速さや食塩水の問題でも利用できる大切な考え方です。
三角形CEDの面積
=三角形ABCの面積×CD/CB×CE/CA ←比の積・商〜三角形の面積比(割合)=底辺の比(割合)×高さの比(割合)
=三角形ABCの面積×3/(1+3)×2/(3+2)
=三角形ABCの面積×3/10
また、直線AFが、四角形ABDEの面積を二等分するから、
三角形AFEの面積
=三角形ABCの面積×(1−3/10)×1/2
=三角形ABCの面積×7/20
三角形AFEと三角形CEDにおいて、
底辺の比 AE:EC=3:2
面積の比 7/20:3/10=7:6
だから、
高さの比 7/3:6/2=7:9 ←比の積・商〜三角形の高さの比=三角形の面積比/三角形の底辺の比
となります。
高さの比は、FE:DEに等しいから、
DF:FE
=(9−7):7
=2:7
となります。
(参考)比の積・商の利用例について
(問題1)6%の食塩水234gから[ ]gの水を蒸発させると9%の食塩水になります。
(解説)
濃さが9/6=3/2倍になって、食塩の量はそのまま(1倍)だから、食塩水の量は
1÷3/2 ←濃さ(の比)=食塩の量(の比)/食塩水の量(の比)を逆算しただけです。
=2/3倍
になります。
したがって、蒸発した水の量は
234×(1−2/3) ←蒸発した水の量=減った食塩水の量ですね。
=234×1/3
=78g
となります。
(問題2)
2地点PQ間を太郎君と次郎君が歩きました。太郎君がP地点を出発して2分後に次郎君がQ地点を出発し、次郎君が出発して5分後に、二人は出会いました。出会ったとき、太郎君は次郎君の1.2倍の距離を進んでいました。太郎君の速さは次郎君の速さの何倍ですか。
(解説)
距離の比 太郎:次郎=1.2:1=6:5
時間の比 太郎:次郎=(2+5):5=7:5
だから、
速さの比 太郎:次郎=6/7:5/5=6:7 ←速さ(の比)=距離(の比)/時間(の比)ですね。
となり、太郎の速さは次郎の速さの6/7倍となります。
(問題3)
2つの円柱AとBがあります。底面の円の半径は、円柱AがBの2倍で、円柱の高さはAがBの1/3倍です。このとき、円柱Aの体積は円柱Bの体積の何倍ですか。
(解説)
底面積の比 A:B=(2×2):(1×1)=4:1 ←円は相似で、相似比が2:1だからです。
高さの比 A:B=1:3
だから、
体積の比 A:B=(4×1):(1×3)=4:3 ←柱体の体積(の比)=底面積(の比)×高さ(の比)ですね。
となり、Aの体積はBの体積の4/3倍となります。