灘高等学校2025年数学第5問(解答・解説)


Aさんが50円玉、10円玉、5円玉、1円玉をそれぞれ〇枚、□枚、△枚、☆枚をBさんに渡したときに、Bさんの支払える金額(Aさんのは支払った金額は除きます)が何通りあるかを考えることになります(〇と△は0以上1以下の整数、□と☆は0以上の4以下の整数で、〇、□、△、☆がすべて0になる場合は除きます)。
Bさんが支払える金額は、全部で
  (〇+1)×(□+1)×(△+1)×(☆+1)−2 ←50円玉は0枚か〇枚の(〇+1)通りあり、そのそれぞれに対して、10円玉は0枚から□枚の(□+1)通りあり、そのそれぞれに対して、5円玉は0枚か△枚の(△+1)通りあり、そのそれぞれに対して、1円玉は0枚から☆枚の(☆+1)通りあります(このことは、〇、□、△、☆が0のときも成り立ちます)。条件を満たさないのは、すべて0枚のときと50円玉〇枚、10円玉□枚、5円玉△枚、1円玉☆枚のときになります。
通りあります。
〇、□、△、☆に条件を満たす数を順次入れた、2×5×2×5−1=99通りの数の合計を求めることになりますが、小学生にとってはこの部分の計算が少し厄介です。 ←2を99回引く部分ついては問題ないですね。
(〇+1)×(□+1)×(△+1)×(☆+1)だけ取り出し考えます。
とりあえず、〇=□=0の場合について、つまり(△+1)×(☆+1)について考えます。
△=0のとき、☆に0から4までの整数を順次入れて、分配法則の逆を利用すると、
  1×(1+2+3+4+5)
となります。
△=1のとき、☆に0から4までの整数を順次入れて、分配法則の逆を利用すると、
  2×(1+2+3+4+5)
となります。
〇=□=0のときをまとめると、
  (1+2)×(1+2+3+4+5) ←約数の和を求めるときのように、面積図をイメージしてもよいでしょう(神戸女学院中学部1995年算数2日目第4問の解答・解説を参照)。
となります。
〇=0、□=1、2、3、4のときも同様にすると、それぞれ
  2×(1+2)×(1+2+3+4+5)
  3×(1+2)×(1+2+3+4+5)
  4×(1+2)×(1+2+3+4+5)
  5×(1+2)×(1+2+3+4+5)
となり、〇=0のときをまとめると、
  (1+2+3+4+5)×(1+2)×(1+2+3+4+5)
となります。
〇=1のとき、同様にして、
  2×(1+2+3+4+5)×(1+2)×(1+2+3+4+5)
となり、すべてをまとめると、
  (1+2)×(1+2+3+4+5)×(1+2)×(1+2+3+4+5)
 =3×15×3×15
 =45×45 ←2025年の受験生なら、45×45=2025となることは当然覚えているはずですね。
 =2025
となります。
このうち、〇=□=△=☆=1のときの1×1×1×1=1を取り除く必要があります。
したがって、「成立」となる場合は全部で
  2025−1−2×99
 =1826通り
あり、すべての場合が99×98通りあるから、求める確率は
  1826/(99×98)
 =83/441
となり、これが(2)の答えとなります。
なお、AさんがBさんに23円を支払ったときに「成立」となるのは
  3×4−2
 =10通り
あり、これが(1)の答えとなります。



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