ラ・サール中学校1989年算数2日目第3問(解答・解説)


回転体の体積の問題ですね。
N角形を回転させた立体は、必ず円柱と円すい(円すい台)の組み合わせになります。
図形が回転軸から離れている部分は、とりあえず埋め合わせて考え、あとで、取り除きます(「たしすぎたら、ひく」)。

見取り図を描くと、下の図のようになります(この問題であれば、見取り図を描かなくてもできますが・・・)。
ラ・サール中学校1989年算数2日目第3問(解答・解説)の図1

(参考)回転体の見取り図の描き方
 @回転する図形を対称軸に関して折り返した図形(線対称図形)を描きます。
 A対称な点同士をまるく(つぶれた円のように)結びます。

∠AOC=45゚、∠OCA=90゚、OC=1cmだから、AC(BD)=1cmとなります。 ←三角定規(直角二等辺三角形)を利用しました。
(体積について)
半径1cm、高さ1cmの円すいと半径1cm、高さ2cmの円柱の体積の和から、半径1cm、高さ1+2=3cmの円すいの体積をひけばいいですね。
  求める体積  「和」+「差」で求める!
 =1×1×3.14×1×1/3+1×1×3.14×2−1×1×3.14×3×1/3
 =3.14×1/3×(1+6−3) ←分配法則の逆を利用しました。
 =3.14×4/3
 =3.14+3.14×1/3 ←4/3=1+1/3として、分配法則を利用しました。
 =3.14+1.04・・・ ←暗算でできましたね。
 =4.18・・・
 →4.2cm3 ←四捨五入によって小数第1位まで求めました。
となります。
なお、見取り図を描かない場合は、回転軸と1辺を共有する三角形、長方形を回転軸のまわりに回転した図形がそれぞれ円すい、円柱となることを利用して、次のように処理します。
  三角形OCAを回転軸エルのまわりに回転した図形(円すい)
 +長方形ACDBを回転軸エルのまわりに回転した図形(円柱)
 −三角形ODBを回転軸エルのまわりに回転した図形(円すい)
とします(計算は、上と同じです)。
(全表面積について)
半径1cm、高さ1cm(母線の長さ1.4cm)の円すいの側面積と半径1cm、高さ2cmの円柱の側面積と半径1cm、高さ3cm(母線の長さ3.2cm)の円すいの側面積を合計すればいいですね。
  求める全表面積
 =1.4×1×3.14+2×2×3.14+3.2×1×3.14 円すいの側面積の公式(母線×底面の円の半径×円周率)を利用しました。円柱の側面は、円柱の高さを縦、円柱の底面の周りの長さを横とする長方形になりますね。
 =(1.4+4+3.2)×3.14 ←分配法則の逆を利用しました。
 =8.6×3.14
 =25.12  ←3.14×8
 + 1.884 ←3.14×0.6
  27.004
 →27.0cm2 ←四捨五入によって小数第1位まで求めました。
となります。
なお、見取り図を描かない場合は、線分OA、AB、OBが作る面の面積の和を求めればいいと考えます。



中学受験・算数の森TOPページへ