ラ・サール中学校1989年算数2日目第4問(解答・解説)


草を減らす(実際には、牛が草を食べるということです)という仕事をする一方で、それとは正反対の、草を新たに増やす(実際には、草が新たにはえるということです)という仕事をしていますね。
ニュートン算と言われる典型的な問題です。

ニュートン算のポイントは、次の2点になります。
  単位時間の増減の変化をつかむ(もしくは、のべ数に着目する)。
  線分図で差に着目する。

では、問題を解いてみましょう。

この問題には、ニュートン算を解く手順を教えてくれるような誘導がついていますから、それにしたがって解いていきましょう。

(1)1週間にはえる草の量を@とします。
線分図をかきます。
その際に必要となる式を先に作っておきます。
23週間にはえる草の量は、@×23です。
80頭の牛が23週間で食べる草の量は、1×80×23山です。 単位時間(1週間)の「減」は、1山(牛1頭あたり)ですね。
18週間にはえる草の量は、@×18です。
100頭の牛が18週間で食べる草の量は、1×100×18山です。
さて、これで線分図をかく準備が整いました。
まず、「現在一定量の草がはえている」、「草は毎日一定の割合ではえ」という部分と「80頭の牛を放すと、23週間で食べつくしてしまい」という部分を線分図に表します。
図2の上側の線分図になります。
その際、仕事を持ってくるという要素(最初の草、新たに増える草)を線分図の下側に、仕事をこなすという要素(草をどれだけ食べるかということ)を線分図の上側に持ってきます(ニュートン算の線分図のイメージを参照しましょう)。
ニュートン算の線分図のイメージ

次に、「現在一定量の草がはえている」、「草は毎日一定の割合ではえ」という部分と「100頭の牛を放すと、18週間で食べつくしてしまい」という部分を線分図に表します。
上側の線分図と同様にすると、図2の下側の線分図になります。
ラ・サール中学校89年2日目第4問(解答・解説)の図

線分図で差を取ります。 線分図で差に着目!
すると、@×5が80×23−100×18=1840−1800=40山に相当することがわかります。
したがって、求める草の量(@)は、
 40×1/5
=8山
となります。 単位時間(1週間)の「増」が8山とわかりました。

(2)本小問で、牛が食べなければならない草の量は、
 (最初の草の量)+(18(10+8)週間にはえる草の量)
 =(1800−8×18)+8×18  答えではない最初の草の量を計算しなくてよかった!
 =1800山
  図2の下側の線分図のところに登場していたので、1800山となることははじめからわかっていましたが・・・
このうち、120頭の牛が10週間で
 1×120×10=1200山
食べているから、残りの8週間で食べる草の量は
 1800−1200=600山
となります。
したがって、1週間で牛が食べなければならない草の量は
 600/8(うまく約分できますね)=75山
となります。牛1頭が1週間に食べる草の量が1山だから、求める牛の頭数は、
 75頭
となります。



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