ラ・サール中学校1990年算数1日目第5問(解答・解説)


2地点間を何度も往復する問題なので、進行グラフ(ダイヤグラム)をかいて整理します。
 AがPQ間(片道)の距離を進む時間=4200÷700=6分
 BがPQ間(片道)の距離を進む時間=4200÷300=14分
まず、6分毎に42分((★)を参照)まで目盛りを取って、Aのグラフをかきます。
次に、14分毎に42分まで目盛りを取って、Bのグラフをかきます。
最後に、出会い(同じ位置にくる直前が反対方向ですね)を、追いつき(同じ位置にくる直前が同一方向ですね)を×というようにしるしをつけます。
ラ・サール中学校1990年算数1日目第5問(解答・解説)の図1


(★)42というのは、6と14の最小公倍数になります。
Aは6×2=12分間でPQ間を1往復し、BはPQ間を14×2=28分間で1往復するので、A、Bは84(12と28の最小公倍数)分間でスタート時と同じ状況になります。
したがって、グラフは84分を1周期(ひとかたまり)として、同じことの繰り返しとなります。
ところで、42分の地点では、Aはスタート地点Pとは逆のQにいて、Bはスタート地点Qとは逆のPにいますね。
いま、42分までのグラフを逆から見る(右から左に見る)と、AはQからスタートして、42分間でPに到着し、BはPからスタートし、42分間でQに到着していますね。
これは、まさに42分〜84分の状況と同じですね。
結局、42分〜84分までのグラフと0分〜42分までのグラフは42分の縦線(図の点線)で線対称になるので、0分〜42分までのグラフをしっかりかけばよいことになります。 対称性を利用して作業を減らす!

なお、0〜42分のAのグラフは点対称図形で、Bのグラフも点対称図形ですから、21分のところまでの出会い、追いつきの回数を数えれば足りますね。 対称性を利用して作業を減らす!

さて、問題を解く準備が整いました。
(解法1)出会いから出会い(追いつきから追いつき)までの距離(時間)が等しい(本問の場合4200×2m)ことを利用して解きます。
(1)出発して、2回目に、A、Bが同じ地点にくるのは、1回目の追いつきだから、
 4200÷(700−300)=10.5分
となります。      追いつきの速さ=速さの差
(2)出発して、5回目に、A、Bが同じ地点にくるのは、4回目の出会いだから、
 4200×(1+2×3)÷(700+300)=29.4分
となります。      出会いの速さ=速さの和
なお、1回目の出会いまでの距離はPQ片道分、1回目の出会いから2回目の出会いまでの距離はPQ往復分、2回目の出会いから3回目の出会いまでの距離はPQ往復分、3回目の出会いから4回目の出会いまでの距離はPQ往復分だから、4回目の出会いまでの距離は4200×(1+2×3)となります。
(3)進行グラフから、84分間(1周期)にA、Bが同じ地点にくるのは、7×2=14回(出会い5×2=10回、追いつき2×2=4回)だとわかります。
100=14×7+2(100÷14=7・・・余り2)だから、100回目にA、Bが同じ地点にくるのは、8周期目の1回目の追いつきだから、求める時間は、
 84×7+10.5=598.5分
となります。
なお、4×7+1=29回目の追いつきと考えて、
4200×(1+2×28)÷(700−300)=598.5分
としてもいいでしょう。
(解法2)グラフを図形に見立てて解きます。
(1)
ラ・サール中学校1990年算数1日目第5問(解答・解説)の図2

(2)
ラサール中学校1990年算数1日目第5問(解答・解説)の図3

(3)は(解法1)と同じです。

1998年1日目第4問なども本問とほぼ同じ問題なので、チャレンジしましょう!



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