ラ・サール中学校1993年算数2日目第3問(解答・解説)
本問は、典型的な流水算の問題ですね。
(典型的な流水算の問題のポイント)
流水算というのは、自分自身の速さが他の速さに影響される(速くなったり、遅くなったりする)場合の時間、距離、速さを求める問題です。
流水算の問題は、速さに特徴があります。
典型的な流水算の問題は、あるものが正反対の方向に進み、双方向とも他の速さの影響を受ける(ただし、進む方向が逆になると、逆の影響(影響の大きさ自体は同じ)を受ける)問題です。
典型的な流水算の問題は、和差算(もしくは、平均)を利用して解きます。
船の上りの速さ=船の静水時の速さ−川の流速
船の下りの速さ=船の静水時の速さ+川の流速
大=(和+差)÷2、小=(和−差)÷2になるのでしたね。結局、
静水時の速さ=(船の下りの速さ+船の上りの速さ)÷2
川の流速=(船の下りの速さ−船の上りの速さ)÷2
となります。
なお、次のように考えてもいいでしょう。
船の上りの速さ、船の静水時の速さ、船の下りの速さを数直線(線分図)上に書き込むと、等間隔(川の流速の大きさ)で、並んでいることがわかりますね。
すると、船の静水時の速さ(平均になりますね)=(船の下りの速さ+船の上りの速さ)/2となることはすぐにわかりますね(船の下りの速さ=船の上りの速さ+川の流速×2となることなどもすぐにわかりますね)。
実際には、船の静水時の速さが船の上りの速さと船の下りの速さの真ん中にあることを利用するのがわかりやすいでしょう。
(1)
★速さの比を求める手法★
・速さの比が、同一時間に進む距離の比と一致することを利用
・速さの比が、同一距離を進むのに必要な時間の比の逆比となることを利用
・時間の比、距離の比の2つが決まれば速さの比が決まることを利用
では、問題を解いてみましょう。
(川が増水した日)
時間の比 上り:下り=72分:40分=9:5
↓逆比 ←距離一定(AB間(片道)の距離)
速さの比 上り:下り=5:9
川が増水した日の上りの速さをD、下りの速さをHとします。 ←「和差算の÷2」と「普通の日の2倍の÷2」を考慮して、差が2×2=4の倍数となるようにおきました(本問では、何も考えなくても大丈夫ですが・・・)。
増水した日の川の流速は
(H−D)÷2=A
普通の日の川の流速は
A÷2=@
静水での船の速さは
H−A=F
よって、
普通の日の川の流速:静水での船の速さ =@:F =1:7
なお、静水での船の速さを(D+H)÷2=Fと求めた後で、増水した日の川の流速をH−F=Aと求め、普通の日の流速をA÷2=@と求めてもいいでしょう。
(2)
(1)の誘導を利用すれば、簡単ですね。
速さの比 普通の日(下り):増水した日(下り)=(F+@):H=G:H
↓逆比 ←距離一定(AB間(片道)の距離)
時間の比 普通の日(下り):増水した日(下り)=[9]:[8]
[8]が40分に相当するから、普通の日(下り)の速さ([9])は
40×[9]/[8]=45分
なお、H×45÷H=45分としてもよいでしょう。 ←いわゆるL.C.M.解法