ラ・サール中学校1997年算数1日目第4問(解答・解説)


(解法1)道の選び方の問題には、次のような有名な問題があります。
(問題)次の図で、点Pから点Qまで遠回りしないで行く方法は、全部で何通りありますか。
道の選び方の問題の図1

この問題に対しては、下図のように、角の点までの行き方を書き込む解法があります。
道の選び方の問題の図2

ある角までの行き方は、その手前の角までの行き方の和なっています。
この方法を、本問に応用します。
ただし、本問題の場合、同じ地点を何度も通るために数字で混乱する可能性がありますので、各秒ごとに数字にしるしをつけていきます。
ラ・サール中学校1997年算数1日目第4問(解答・解説)の図1

数字を書き込んでいくうちに、同じ時間のAの数字とBの数字の差が常に1となっていて、大きいほうが1秒ごとに入れ替わっていることもわかりますね。そのことに着目して解くこともできます。
上の図より、(1)6通り(2)21通り(3)60通りとわかります。
この解法と同様の考え方で解ける過去問は、1989年1日目第5問、1993年1日目第4問(本問とほぼ同じ)、1995年2日目第4問(本問とほぼ同じ)などがあります。

(解法2)
B、C、Dは条件的に同じだから、B=C=Dとなります。
ラ・サール中学校1997年算数1日目第4問(解答・解説)の図2

逆から見る(ピンク色の矢印)と、A=(1秒前のB)+(1秒前のC)+(1秒前のD)=(1秒前のB)×3となります。
また、B=(1秒前のA)+(1秒前のC)+(1秒前のD)=(1秒前のA)+(1秒前のB)×2となります。
あとは、表を完成させればおしまいですね。
ラサール中学校1997年算数1日目第4問(解答・解説)の図3

この解法と同様の考え方で解ける過去問は、93年1日目第4問(本問とほぼ同じ)、95年2日目第4問(本問とほぼ同じ)、96年1日目第5問、99年2日目第4問などがあります。

(解法3)
ラ・サール中学校1997年算数1日目第4問(解答・解説)の図4

この解法と同様の考え方で解ける過去問は、1989年1日目第5問(3)などがあります。

(解法4)
各頂点から3本の辺が出ているので、1秒ごとに3通りの行き方があります。
移動の際、B、C、Dの条件の対等性に着目するとよいでしょう。
1秒後のすべての場合の数は3通りとなります。
1秒後にAに移動する場合の数は明らかに0通りとなります。
1秒後にB、C、Dのいずれかに移動する場合の数は3(3−0)通りとなります。
2秒後のすべての場合の数は3×3=9通りとなります。
2秒後にAに移動する場合の数は、1秒後はどこに移動してもよく、2秒後はAに移動するので、3×1=3通りとなります。 2秒後にB、C、Dのいずれかに移動する場合の数は9−3=6通りとなります。 ←条件の対等性により、2秒後にB、C、Dのそれぞれに移動する場合の数は6/3=2通りとなります。
3秒後のすべての場合の数は3×3×3=27通りとなります。
3秒後にAに移動する場合の数は、2秒後にB、C、Dのいずれかに移動し、その1秒後にAに移動するので、6×1=6通りとなります。
3秒後にB、C、Dのいずれかに移動する場合の数は27−6=21通りとなります。 ←条件の対等性により、3秒後にB、C、Dのそれぞれに移動する場合の数は21/3=7通りとなります。
ここまですれば、作業の規則性がわかり、機械的に処理できます。
1秒後 すべて 3通り A 0通り A以外(B、C、Dのいずれか) 3−0=3通り
2秒後 すべて 3×3=9通り A 3通り A以外(B、C、Dのいずれか) 9−3=6通り
3秒後 すべて 3×3×3=27通り A 6通り A以外(B、C、Dのいずれか) 27−6=21通り
4秒後 すべて 3×3×3×3=81通り A 21通り A以外(B、C、Dのいずれか) 81−21=60通り
5秒後 すべて 3×3×3×3×3=243通り A 60通り A以外(B、C、Dのいずれか) 243−60=183通り

(練習問題)2つの細胞(さいぼう)AとBがあって、Aは、1秒ごとに1回変形し、B1個になり、Bは、1秒ごとに1回分裂し、A3個とB2個になることがわかっている。最初、A1個からスタートするとして、7秒後にAは□個となる。

(解答)
ラ・サール中学校1997年1日目第4問(解答・解説)の図5

逆から見る(ピンク色の矢印)と、(ある時間のAの個数)=(1秒前のBの個数)×3となります。
また、(ある時間のBの個数)=(1秒前のAの個数)+(1秒前のBの個数)×2となります。
あとは、表を完成させればおしまいですね。(解法2)の図を参照してください。
答えは、546になります。

灘中学校1996年1日目第9問も参照しましょう。灘中学校とラ・サール中学校の素敵な出会いにきっと感激するでしょう。(^^;)



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