灘中学校2010年算数2日目第3問(解答・解説)


[x]はガウス記号と呼ばれる記号になります。
(1)
(20+2010)/7=290を利用すれば簡単に計算できます。
(ア)
 [20/7]=[2+6/7]=2
 [2010/7]=[287+1/7]=287 ←2010/7を帯分数にしたのではありません。2+6/7に足して290になる数を求めただけです(イ)についても同様)。一応の建前としてはこういうことですが、実際には、(2)で述べた「ゴミ箱行き」があることを確認して、[20/7]+[2010/7]=290−1=289として求めています。
だから、[20/7]+[2010/7]=2+287=289となります。
(イ)
 [30/7]=[4+2/7]=4
 [2000/7]=[285+5/7]=285
だから、[30/7]+[2000/7]=4+285=289となります。
(2)
(1)を利用して、両端から1個ずつ組み合わせて和を求めます。
与えられた式は200個の数の足し算になります。 ←分子の0をカットした数(2、3、4、・・・、201)の個数を数えればすぐにわかりますね。
求める和は
  289×200/2
 =28900
となりそうですが、実際にはそうなりません。
両端から1個ずつ組み合わせたとき、真分数部分(合計1)が「ゴミ箱行き」になっていますが、真分数部分がないとき(ガウス記号の中身が整数となる、つまり7の倍数となるとき)、「ゴミ箱行き」の数が発生せず、和が290となります。
そこで、この部分を調整する必要があります。
20、30、40、・・・、2010のうち7の倍数の個数は、2、3、4、・・・、201の7の倍数の個数と一致し、1は7の倍数でないことから、1以上201以下の整数の7の倍数の個数と一致します。
  [201/7]
 =28
だから、7の倍数は28個あり、この7の倍数は2個ずつペアになるので、2個の和が290となるのは28/2=14個あります。
したがって、求める和は28900+14=28914となります。
因みに、広中杯(算数オリンピックの中学生版)で同じような問題が出されています(広中杯2001年トライアル第3問)。
(3)
説明が面倒なので、以下、[x]をxの整数部分と表記します。
分子と20の倍数を比べればいいですね。
少し書き出して調べていきます。 ←実際には、(4)のように、書き出さなくても答えが求められますが、問題状況を把握するため、少し書き出して調べることにします。
 1×1、2×2、3×3、4×4・・・整数部分は0
 20×1
 5×5、6×6・・・整数部分は1
 20×2
 7×7・・・整数部分は2
 20×3
 8×8・・・整数部分は3
 20×4
 9×9・・・整数部分は4
 20×5=10×10・・・整数部分は5
11×11以上の平方数においては、1つの前の平方数より10+11=21以上増えるので、これを20で割ったとき1以上増えることになり、整数部分はすべて異なります。 ←一般に、連続する2つの平方数(□×□と(□+1)×□+1))の差は□+(□+1)となります(2つの正方形を重ね合わせる面積図を思い浮かべればすぐにわかることです)が、このことを利用しました((4)でもこのことを利用しています)。
結局、与えられた20個の整数の中には、整数は全部で16種類あります。
なお、10×10以下の平方数においては、連続する平方数の差は9+10=19以下だから、これを20で割ったとき整数が2以上増えることはありません。
この問題ではこのことを使うまでもないですが、(4)ではこのことを使って解きます。
(4)
35×35以上の平方数においては、1つ前の平方数より34+35=69以上増えるので、これを68で割ったとき1以上増えることになり、整数部分はすべて異なります。
34×34以下の平方数においては、連続する平方数の差は33+34=67以下だから、これを68で割ったとき整数が2以上増えることはありません。
[34×34/68]=17だから、与えられた2010個の整数の中に0以上17以下の18個の整数はすべてあります。
また、これら以外に2010−34=1976個の整数があるから、全部で
  1976+18
 =1994種類
の整数があります。



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