灘中学校2017年算数1日目第5問(解答・解説)
(解法1)
一般に、流水算において、上りと流速の出会いの速さと下りと流速の追いつきの速さはともに静水時の速さとなります。 ←静水時の速さを△、流速を〇として式を作ってみればわかるでしょう。
このことに着目して解きます。
上りと流速の出会いの速さと下りと流速の追いつきの速さが同じだから、同じ時間の部分を無視して考えると、流速で10分間進んだ距離と静水時の速さ(ボートの下りと流速の追いつきの速さ)で4分間進んだ距離が等しいことがわかります。
時間の比 流速:静水時の速さ=10:4=5:2
↓逆比←距離一定
速さの比 流速:静水時の速さ=2:5
となるから、静水でボートが進む速さは川の流れの速さの5/2倍となります。
速さの比 上り:下り=(5−2):(5+2)=3:7
距離の比 上り:下り=300:(300+1030)=30:133
だから、
時間の比 上り:下り=30/3:133/7=10:19=I:R ←比の積・商〜時間(の比)=距離(の比)/速さ(の比)
となります。
R−I
=H
が4分に相当するから、上りの時間は
4×I/H
=40/9分
となり、上りの速さは
300÷(40/9)
=135/2m/分
となり、川の流れの速さは
135/2×2/3
=45m/分
となります。
(解法2)
式を作って解きます。
上流に向かってこいだ時間を□分、ボートの静水時の速さを△m/分、流速を〇m/分とします。
下流に向かってこぎ始めた時点でのボートとボールの距離に注目すると、
(△−〇+〇)×□+〇×10=(△+〇−〇)×(□+4)
△×□+〇×10=△×□+△×4 ←右辺で分配法則を利用しました。
〇×10=△×4
となるから、
〇:△
=4:10 ←積一定⇒反比例(逆比)
=2:5
となり、静水でボートが進む速さは川の流れの速さの5/2倍となります。
〇=[2]とすると、△=[5]となります。
上流に向かって進んだ距離に注目すると
([5]−[2])×□=300
[3]×□=300
[1]×□=100
となります。
ボールが下流に向かって進んだ距離に注目すると
[2]×□+[2]×10+[2]×□+[2]×4=1030
[4]×□+[28]=1030
[28]=1030−400=630
[2]=630/14=45
となり、川の流れの速さは45m/分となります。