灘中学校1994年算数2日目第1問(解答・解説)


何か規則性があるはずですね。本問のような規則性の問題では、次のように考えるといいでしょう。

  小さな例を作り実験 ⇒ 観察 ⇒ 規則性の把握(はあく) ⇒ 一般化

問題文に書いてある図を利用します。
灘中学校1994年算数2日目第1問(解答・解説)の図

上の図の赤紫色の線に注目してましょう(長さの短いほうから順に見ていきます)。
規則性を見つける際には、いきなり答えを書くのではなく、丁寧(ていねい)に式を書くことが大切です。
例えば、[2]の1辺は、見ただけで2cmとわかりますが、あえて式を書くようにします。
そうすることで規則性が見つけやすくなります。
Aの1辺の長さ 1cm
[1]の1辺の長さ 1cm
[2]の1辺の長さ Aの1辺の長さ+[1]の1辺の長さ=1+1=2cm
[3]の1辺の長さ [1]の1辺の長さ+[2]の1辺の長さ=1+2=3cm
[4]の1辺の長さ [2]の1辺の長さ+[3]の1辺の長さ=2+3=5cm
[5]の1辺の長さ [3]の1辺の長さ+[4]の1辺の長さ=3+5=8cm
[6]の1辺の長さ [4]の1辺の長さ+[5]の1辺の長さ=5+8=13cm

ここまで書くと、規則性はわかりますよね。
次々に現れる数は、その直前の2数の和となっていますね。有名なフィボナッチ数列ですね。
あとは、図形をいちいちチェックしなくても、機械的に正方形の辺の長さが求まりますね。

(1)
正方形[6]の1辺の長さは13cmですね。

(2)
正方形[7]をかいて作った長方形の面積は
  (正方形[7]の1辺の長さ)×(正方形[8]の1辺の長さ)
になります。

このことがわからなければ、小さな例で何個か実験すればいいでしょう。
一番最初の図を利用します。
正方形[]をかいて作った長方形の面積は
  (正方形[]の1辺の長さ)×(正方形[]の1辺の長さ)
になり、
正方形[]をかいて作った長方形の面積は
  (正方形[]の1辺の長さ)×(正方形[]の1辺の長さ)
になっていますね。
数の連動性に注目すれば、規則性は明らかですね(赤数字の部分と青数字(赤数字の次の数)の部分に注目します)。

[7]の1辺の長さ [5]の1辺の長さ+[6]の1辺の長さ=8+13=21cm
[8]の1辺の長さ [6]の1辺の長さ+[7]の1辺の長さ=13+21=34cm

したがって、求める面積は
 =21×34
 =714cm2

(3)
(2)の説明から、正方形[x]をかいて作った長方形の面積は
  (正方形[x]の1辺の長さ)×(正方形[x+1]の1辺の長さ)
になります。
また、40000=200×200だから、正方形[x]の1辺の長さが200を超えれば、(正方形[x]の1辺の長さ)×(正方形[x+1]の1辺の長さ)が40000を超えることは明らかだから、正方形[x]の1辺の長さが200を超える直前を調べればいいですね。〜大雑把(おおざっぱ)に見当をつける!
[9]の1辺の長さ [7]の1辺の長さ+[8]の1辺の長さ=21+34=55cm
[10]の1辺の長さ [8]の1辺の長さ+[9]の1辺の長さ=34+55=89cm
[11]の1辺の長さ [9]の1辺の長さ+[10]の1辺の長さ=55+89=144cm
[12]の1辺の長さ [10]の1辺の長さ+[11]の1辺の長さ=89+144=233cm

  144×233 ←計算する必要はありません。
 <150×240 数字から判断すると、40000をかなり下回りそうだけど、念のため概算で確認!
 =36000(24000+12000)
 <40000
だから、
 x=12
となります。
同様の規則性の問題(フェリス女学院中学校2000年第4問)があるので、ぜひ解いてみましょう。
(参考)
フィボナッチ数列〜0、1で始まり、以後の項が直前の2項の和になっている数列
 0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,・・・
トリボナッチ数列〜0、0、1で始まり、以後の項が直前の3項の和になっている数列
 0,0,1,1,2,4,7,13,24,44,81,149,274,504,・・・
テトラナッチ数列〜0、0、0、1で始まり、以後の項が直前の4項の和になっている数列
 0,0,0,1,1,2,4,8,15,29,56,108,208,401,773,・・・
トリボナッチ数列の問題(慶應義塾中等部2007年算数第6問)をホームページで取り上げているので、ぜひ解いてみましょう。



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