三田学園中学校1997年算数第2問(解答・解説)
問題文を整理すると、値上げ前のバスの料金の1割(1/10)と値上げ前の電車の料金の2割(2/10)の合計が1450−1250=200円ということですね。
(割合の)つるかめ算の問題ですね。
つるかめ算には、いろいろな解法があります。以下、順に見ていきましょう。
(解法1)L字型の面積図をかいて解きます(最終的には、面積図をイメージして解けるようになりましょう)。
赤点線の部分で、L字型を下側の長方形(面積は1250×1/10=125)と上側の長方形(斜線部分)に分割します。
すると、L字型の面積が200であることから、上側の長方形の面積(「差」で求める)は、200−125=75となります。
また、上側の長方形の縦(たて)の長さは2/10−1/10=1/10です。
後は、長方形の面積の逆算で解決します。
(値上げ前の)電車の料金=75÷(2/10−1/10)=750円
よって、値上げ後の電車の料金は
750+75+75=750+150=900円
10割 1割 1割
750×12/10としてもいいでしょう。
この問題は次のように式を一気に立てられるようになりましょう。
(値上げ前の)電車の料金=(200−1250×1/10)÷(2/10−1/10)
(解法2)極端な場合を考えるという方針で解きます。結局のところ、面積図の解法と同じですが・・・
両方とも1割値上げしたと仮定します。
すると、値上がり金額は、125円となるはずです。 ←1250円の1割だから、1250×1/10という式を作るまでもありませんね。
ところが、実際の値上がり金額は200円で、200−125=75円多いですね。
これは、電車の値上がりが1割ではなく、2割であるところから生じています。
つまり、(値上げ前の)電車の料金の1割が75円ということですね。
よって、(値上げ前の)電車の料金(10割)は
75×10=750円 ←式を一気に立てて、(200−125)÷(2/10−1/10)などとできるようになるのが理想的です。
2割値上げした後の電車の料金は
750+75+75=750+150=900円
(解法3)「かさ下げ法(かさ上げ法)」〜長方形の面積1つだけにする。結局のところ、面積図の解法と同じですが・・・
バスも電車も1割(相当分)の値上げはなかったことにします。
もともとの問題
バス 1割値上げ
電車 2割値上げ
合計 1450−1250=200円値上げ
バスも電車も1割(相当分)の値上げがなかった場合の問題
バス 0割値上げ(値上げなし)
電車 2−1=1割値上げ
合計 200−125(バスの料金の1割と電車の料金の1割の合計=1250円の1割)=75円
結局、電車の料金が1割値上がったので、75円高くなったというだけのことですね。
ずいぶん簡単な問題になりましたね。(以下略)
(解法4)消去算で解きます(実質的には、方程式による解法ですね)。
値上げ前のバス、電車の料金をそれぞれ[10](実際は、四角数字などとします)、Iとします。 ←[1]、@などとしないのは、小数を避けるためです。
[10]+I=1250 ・・・(★)
[1]+A=1450−1250 ・・・(☆)
(☆)の式を10倍すると、
[10]+S=2000 ・・・(◆)
(◆)と(★)の差を考えると、
I=750 (以下略)
つるかめ算には、表を書いて求める解法もありますが、本問では、少しわかりにくいですね。
なお、この問題は、天秤算で解くこともできます。
バスの料金の1割(10%)と電車の料金の2割(20%)を混ぜたら、(1450−1250)/1250×100=16%になったということを利用します。