高槻中学校2024年B算数第3問(解答・解説)
以下、商は整数の範囲で考えます。
(1)
10=2×5で割り切れる回数を考える問題ですが、2で割り切れる回数よりも5で割り切れる回数のほうが明らかに少ないので、5で割り切れる回数を考えればいいですね。
そこで、5の倍数をチェックしていくことになりますが、気をつけることがあります。例えば、25=5×5であれば、5で2回割り切れるということです。
1から100までの5の倍数の個数は100/5=20個
1から100までの25(5×5)の倍数の個数は100/25=4個
1から100までの125(5×5×5)の倍数の個数はあきらかに0個
だから、1から100までの整数をかけあわせた数を5で割り切る回数は
20+4 ←例えば、25の倍数は、5の倍数と25の倍数のところでカウントされていますが、実際、5で2回割り切れるので、ちょうどよくなりますね。
=24回
となり、これが答えとなります。
実際には、[〇]を〇を超えない最大の整数を表す(ガウス記号)として、[100/5]+[100/25]=20+4=24回とするだけです。
(2)以降では、このガウス記号を使います。
(2)
1から50までの2の倍数の個数は50/2=25個
1から50までの4(2×2)の倍数の個数は[50/4]=12個
1から50までの8(2×2×2)の倍数の個数は[50/8]=6個
1から50までの16(2×2×2×2)の倍数の個数は[50/16]=3個
1から50までの32(2×2×2×2×2)の倍数の個数は[50/32]=1個
1から50までの64(2×2×2×2×2×2)の倍数の個数はあきらかに0個
だから、1から50までの整数をかけあわせた数を2で割り切る回数は
25+12+6+3+1
=47回
となります。
実際には、[50/2]+[50/4]+[50/8]+[50/16]+[50/32]=25+12+6+3+1=47回とするだけです。
(3)
36=2×2×3×3だから、36で1回割るごとに2と3が2個ずつ「消費」されることになります。
2で割り切れる回数よりも3で割り切れる回数のほうが明らかに少ないので、3で割り切れる回数を考えればいいですね。
51から100までの整数をかけあわせた数([100]÷[50])を3で割り切る回数を考えます。
1から100までの整数をかけあわせた数を3で割り切る回数から、1から50までの整数をかけあわせた数を3で割り切る回数を引けばいいですね。
[100/3]+[100/9]+[100/27]+[100/81]−([50/3]+[50/9]+[50/27])
=33+11+3+1−(16+5+1)
=48−22
=26回
となります。
36で1回割るというのは、2と3で2回ずつ割るという作業だから、求める回数は26/2=13回となります。
なお、この問題が[100]÷[50]を2で割り切れる回数とか4で割り切れる回数とかを問う問題なら、次のようにすると簡単に解けます。
[100]÷[50]
=(1×2×3×4×・・・×99×100)/(1×2×3×・・・×50)
=(1×3×5×・・・×99)×(2×4×6×・・・×100)/(1×2×3×・・・×50) ←分子を偶数の積と奇数の積に分けました。
=(2を50個掛け合わせた数)×(1から99までの奇数すべての積) ←分子の50個の偶数の積と分母を約分しました。実際には、この式を一気に作ることができます。
だから、2で割り切れる回数が50回、4で割り切れる回数が50/2=25回となることがすぐにわかりますね。
この考え方を使えば、2008年のジュニア数学オリンピック(JJMO)第2問(1004から2008までの積が2で最大何回割り切れるか考える問題)が、1003+3=1006というように暗算で解けます。