筑波大学附属駒場中学校2023年算数第3問(解答・解説)
広義のヘロンの三角形(辺の長さと面積がすべて有理数(小学生の場合、分数と考えておけばよいでしょう)で表される三角形)の問題です。
(1)
与えられた直角三角形2個のうち左側のものを6倍に拡大したものと右側のものを1個ずつ組み合わせれば三角形ABC(厳密には、三角形ABCと相似な三角形(以下同様))ができます。
AB:BC=30:(18+7)=6:5となります。
なお、三角形ABCは辺ABの長さと辺BCの長さが等しい二等辺三角形となるから、角ABCの大きさは(あ)+(い)となりますね。
(2)
(あ)−(い)という角の大きさを作り出すため、三角形APCを直線APに関して折り返します。 ←角度や面積の差を考える場合、重ね合わせて差を作るというのはよくあることですね。
三角形ABQが三角形DEFに他ならないから、DE:EF=30:11となります。
(3)
与えられた直角三角形2個のうち左側のものを5倍に拡大したもの2個と右側のもの1個を組み合わせると、左側のものを8倍したものが出来上がります。 ←有名な図形で、灘中学校や算数オリンピックで同様の図形を作出して解く問題が出されています。
(い)+(い)の角の大きさを作り出すため、三角形SURを辺SRに関して折り返します。
また、三角形の外角定理により、角RUSの大きさは(あ)+(あ)となりますが、(あ)の角の大きさを作り出すために、角を2等分する線UXを引きます。
同位角が等しくなるから、辺UXと辺TRは平行となり、三角形WUXと三角形WTRは相似(相似比は(7+7):(7+7+25)=14:39)となります。
三角形URXは三角形GHIに他ならないから、IG:GH=(20+20)×14/39:25=112:195となります。