大阪大学2000年前期理系数学第3問(解答・解説)
フロベニウスの硬貨交換問題(シルベスターの切手問題)と呼ばれる有名問題ですが、特別な知識は不要です。
3と5(3と5の両方を使う必要はありません)から整数(1以上)を作る問題にすぎません。
横に6個ずつ数字を並べた表をかきます。 ←横に3個ずつあるいは5個ずつ数字を並べた表をかいてもいいでしょう。
上の図で、ある数が作られると、その数の下にある数はすべて作ることができます(★)。縦方向は、6(3+3で作ることができますね)ずつ増えるからです。
また、ある数が作られると、その数の左斜め下にある数はすべて作ることができます(☆)。左斜め下方向は、5ずつ増えるからです。
まず、1、2、4は明らかに作ることができませんね。いずれの数も3で割り切れないため、5を使う必要があるのですが、5よりも小さい数を5を使って作ることはできないからです。
また、明らかに3、5、6(3+3)は作ることができますね。
そして、(★)と(☆)を使うことにより、残りの数のうち作ることができる可能性があるのは、7のみとなりますが、実際に作ることは不可能です。なぜなら、5を使うと、残りは2となり、明らかに不適当ですし、5を使わないとすると、7は3で割り切れないため、やはり不適当だからです。
以上より、3と5で作ることができない整数は、1、2、4、7となります。
なお、3と5で作ることができない最大の整数は、3×5−(3+5)=7となります。
因みに、日本数学オリンピック(JMO)2000年予選第2問はこの問題と全く同じ問題です。
中学入試にも同じような問題(甲陽学院中学校1997年算数2日目第3問、甲南中学校2000年算数2期第3問、渋谷教育学園幕張中学校2013年算数第3問など)が出ているので、ぜひ解いてみましょう。