灘中学校1998年算数1日目第8問(解答・解説)
有名な巡回数(ダイヤル数)に関する問題です。
(解法1)
ABCDEFとDEFABCの和を考えます。
ABCDEF
+DEFABC
999999 ←問題文の2番目の式を利用しました。
となり、
ABCDEF+DEFABC
=ABCDEF+ABCDEF×6 ←問題文の最初の式を利用しました。
=ABCDEF×7 ←分配法則の逆を利用しました。
となるから、
ABCDEF
=999999/7 ←約分できるはずですね。
=142857
となります。
したがって、DEFは857となります。
(解法2)
ABC、DEFをひとかたまりと考えます。
ABC=○、DEF=□とします。
問題文の最初の式より
(○×1000+□)×6=□×1000+○
○×6000+□×6=□×1000+○ ←分配法則を利用しました。
○×(6000−1)=□×(1000−6)
となるので、 積一定⇒反比例(逆比)
○:□=(1000−6):(6000−1)
となります。
また、問題文の2番目の式より
○+□=999
となるので、DEF(□)は
999×(6000−1)/{(1000−6)+(6000−1)}
=999×5999/(7000−7)
=999×5999/{7×(1000−1)} ←分母のところで、分配法則の逆を利用しました。999がうまく約分できますね。
=5999/7 ←約分できるはずですね。
=857
となります。
(解法3)
覆面算として解きます。
問題文の最初の式を見ると、A×6で繰り上がりがないので、A=1となります。
問題文の2番目の式を見ると、各位の計算で繰り上がりはありません。1以上9以下の異なる2数の和は9+8=17以下で、19となることはないからです。 ←上限チェック!
結局、A+D=9、B+E=9、C+F=9となります。
A+D=9でA=1だから、D=9−1=8となります。
次に、DEFABC(=ABCDEF×6)は偶数なので、Cは偶数となります。 ←偶奇性を利用
F×6の一の位がCで、C+F=9となるものを探します。 一の位チェック!
C=2、4、6をチェック(8は使用済みですね)します。
C=2、F=7 ○
C=4、F=5 ×
C=6、F=3 ×
この時点で残っている数字は、3、4、5、6、9ですね。ただし、9を使うと、たし算で繰り上がりがあるので、実際には使えません。
B+E=9となるものは、以下の2つの場合となります。
3 6・・・(ア)
4 5・・・(イ)
(ア)の場合と(イ)の場合をチェックする(問題文の最初の式であてはめてみる)と、(イ)の場合しかないことがわかります。
したがって、DEF=857となります。
(参考)
一般に、
□/9=0.□□・・・
□○/99=0.□○□○・・・
□○△/999=0.□○△□○△・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
となります。
このことと
1/7
=1÷7
=0.142857142857・・・
となることから、
1/7
=142857/999999 (=142857/(7×142857) )
となることがわかります。
なお、□/7(□=1、2、3、4、5、6)の小数部分は、1、4、2、8、5、7の6個の数字がこの順で繰り返さる(どの数字から始まるかは、分子により異なります)こともしっかりおさえておきましょう。
1/7=142857/999999=0.142857142857・・・
2/7=285714/999999=0.285714285714・・・
3/7=428571/999999=0.428571428571・・・
4/7=571428/999999=0.571428571428・・・
5/7=714285/999999=0.714285714285・・・
6/7=857142/999999=0.857142857142・・・
このことは、筆算をかいてそれをよく観察すればわかります。
次のそれぞれの3式の関連性についてもぜひ考えてみましょう。
14+28+57=99
142857+285714+571428=999999
1/7+2/7+4/7=1
142+857=999
142857+857142=999999
1/7+6/7=1
285+714=999
285714+714285=999999
2/7+5/7=1
428+571=999
428571+571428=999999
3/7+4/7=1
ホームページで巡回数(ダイヤル数)に関する大学入試問題(京都大学1957年数学・解析1第2問、大阪大学1961年理系数学第2問・文系数学第2問)を取り上げているので、ぜひ解いてみましょう。